2021 Fiscal Year Annual Research Report
山地性植物における標高上下間の遺伝的分化とその維持機構の解明
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19J22443
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田路 翼 信州大学, 総合医理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 送粉 / 遺伝解析 / マイクロサテライト / MIG-seq / 集団遺伝学 / 生態型 / 花サイズ / 植物繁殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
サラシナショウマ、オドリコソウ、キバナノヤマオダマキ、ヤマホタルブクロ、ラショウモンカズラ、ツリフネソウ、キツリフネ、ウツボグサ、カキドオシを材料として、マイクロサテライトマーカーおよびMIG-seq法による集団遺伝解析を行った。サラシナショウマでは3つのエコタイプにおける繁殖生態の違いを明らかにした。3つのタイプ間で花の性表現が異なっていることをフィールド調査により明らかにした。また、マイクロサテライトマーカーによる種子親解析によって、1つのタイプの自殖率が非常に高くなっていることを見出した。さらに、オドリコソウとキバナノヤマオダマキの花形態が各地点の送粉者のサイズに応じて山域間で独立に進化していることを示し、この成果が国際誌に掲載された。ヤマホタルブクロ、ラショウモンカズラについても同様の結果を得ており、論文化を進めている最中である。このように、花サイズと送粉者サイズを確かめるフィールド観察と、遺伝解析の手法を組み合わせることにより、多種間の花サイズの進化的な歴史の共通性が見出された。 さらに引き続き、他の材料で得られた成果を優先的に論文化していく。多くの種のデータを統合し、本プロジェクトが当初予想していた標高上下間の遺伝的分化の可能性も今後検証していく。また、本研究プロジェクトでは他に40種近くの植物標本を6000点以上得ており、これらの標本の遺伝解析も順次行い、山域に隠された植物の多様性の発見を順次進めていく予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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