2021 Fiscal Year Annual Research Report
木質バイオマスを由来とする新規多孔体の開発と透明断熱材への応用
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19J22463
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 渉 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 多孔体 / エアロゲル / キセロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
優れた力学強度を持つセルロースナノファイバー(CNF)は、軽量構造材に適用可能なポリマー補強材としての応用が期待されている。しかし、構造材料として使用するのに十分な厚みの高強度ポリマー複合体を得ることは困難であった。そこで本年度では、前年度までに得られた、大規模化が可能なCNF多孔体(キセロゲル)をテンプレートとしてポリマー複合体の調製を試みた。ミリメートル厚のCNFキセロゲルにメタクリル系モノマーを含浸させ、UV硬化することでCNF/ポリマー複合体を得た。得られた複合体は、広いCNF含有量で高い光透過性を示した。また、複合体の厚みと光透過性の関係を解析した結果、複合体中ではCNFが凝集することなく分散した均質な構造を持つことが示唆された。この微細なCNFネットワークはポリマーを効果的に補強し、曲げ試験における弾性率・強度・破壊仕事が大きく向上した。また、CNFの添加により、複合体の線熱膨張係数が最大78%低下した。さらに、可燃性のポリマーにCNFを50%以上添加した複合体では、優れた難燃性が確認された。以上の結果より、CNFキセロゲルが厚みのある多機能性ポリマー複合体のテンプレートとして適用できる可能性が示された。 以上の結果について、セルロース学会第28回年次大会において発表を行った。また、以上の内容を取りまとめ、論文を執筆、投稿した。論文は、Nanomaterials誌に掲載された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)