2020 Fiscal Year Annual Research Report
マクロ・メソ・マイクロ孔構造領域に秩序構造をもつ階層的多孔材料の新規作製と応用
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19J22552
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原 瑶佑 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ゾル―ゲル法 / 金属有機構造体 / リチウム空気電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和二年度は、前年度に開発した金属有機構造体(MOF)の多段階ステップでの集合制御手法を拡張することで、バルク中の独立的な階層構造制御手法の新規確立を試みた。また、前年度に報告したマクロ・メソ・マイクロ細孔を独立的に構造制御したモノリシック UiO-66 材料について機能化を検討することで、通液触媒への応用を試みた。まず、手法の拡張については、前年度に報告した UiO-66 型構造に加えて、MIL-100型構造やMOF-808型構造といった、細孔サイズ・形状が異なるMOF構造においても集合制御手法が拡張できることを明らかにした(論文投稿中)。さらに、マクロ・メソ・マイクロ孔を独立に制御したUiO-66型マイクロ粒子をモノリス体からのトップダウン成型プロセスを利用することで作製した。これに対し、内部へのPdナノ粒子の担持および官能基の修飾による表面の固体超酸化による機能化に成功した。また、これを用いた通液触媒セットアップを立ち上げることによって、離散スケールにおける細孔構造が与える通液触媒における影響について現在調査中である。さらに、本研究の研究コンセプトである、離散スケールにおける細孔構造制御とそれをモデル系として用いたアプリケーションにおける原理解明を金属系多孔体においても拡張することで、リチウム空気電池のカソードにおける重要な反応であるリチウム・酸素電気化学反応における階層マクロ細孔構造が与える影響についても明らかとした。(J. Phys. Chem. C, 2021, 125(2), 1403-1413; Cover Art) 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった金属有機構造体(MOF)の多段階ステップでの集合制御手法の拡張について成功し、論文投稿を行った。またそうして得られた試料の通液触媒への応用についても順調に研究が進んでいる。さらに、本研究課題の研究コンセプトである、離散スケールにおける細孔構造制御とそれをモデル系として用いたアプリケーションにおける原理解明について金属系多孔体に拡張することで、リチウム空気電池のカソードにおける重要な反応であるリチウム・酸素電気化学反応における階層マクロ細孔構造が与える影響についても明らかとした。これについて論文投稿を行い採択された。以上のことから進捗状況について当初の計画以上に進展しているとみなすことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和三年度は更なる構造制御手法を確立するために金属有機多面体(MOP)の自己集合を利用した高次構造制御を試みる。また、令和二年度から継続している通液触媒液における物質拡散・機能相関解明についても更なる検討を行う予定である。
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