2021 Fiscal Year Annual Research Report
構造の明確な高分子ゲルにおける高分子網目と溶媒分子の動的挙動の解明
Project/Area Number |
19J22561
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤藪 岳志 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 高分子ゲル / Tetra-PEG gel / 協同拡散現象 / 高分子網目の拡散係数 / 水透過現象 / 高分子網目と溶媒の間の摩擦係数 / 高分子網目のダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子ゲル (以下、ゲル) は、高い柔軟性・物質透過性といったユニークな特徴を持っており、多分野での応用が期待されている。しかし、従来のゲルは不均一な網目構造を有するため、その基礎物性の完全な理解は達成されていない。本研究では、極めて均一な網目構造を持ち、様々な網目構造パラメータを独立に制御可能なTetra-PEG gelを用い、ゲルにおける高分子網目と溶媒分子の動的挙動の解明を目指す。 昨年度までに、研究計画発案時に予定していた、1. 高分子網目の熱揺らぎ (協同拡散現象)、2. ゲル内外にわたる水分子の透過現象、3. ゲル内部における水分子の拡散現象の解明を完了した。本年度は、ゲルにおける高分子網目と溶媒分子の動的挙動の理解を更に発展させるために、現象2の支配法則の普遍性を探求した。ゲルの物性に大きな影響を及ぼす4種類のパラメータ (温度・溶媒の質・架橋点分岐数・固定電荷) を新たに導入した検証の結果、新たに導入した4種類のパラメータを変化させても、現象2の支配法則が普遍的に成立することが示された。さらに、モデルゲルであるTetra-PEG gelだけでなく、世間で広く用いられているフリーラジカル重合により作製されるゲルにおいても、現象2の支配法則が普遍的に成立することが示された。以上の内容をまとめた博士論文は高く評価され、2021年度東京大学大学院工学系研究科長賞(研究)を受賞した。また、温度変化に関する研究結果は、物理学の専門誌として最も権威があるPhysical Review Letter誌に英語原著論文として受理され、複数の機関からプレスリリースされるなど注目を集めた。 本研究により、ゲルにおける高分子網目と溶媒分子の動的挙動の理解が達成された。さらに、本研究で導かれた法則の普遍性も確認された。以上の結果は、ゲルの基礎物性研究の学術的発展に大きく寄与するものである。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)