2020 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的同化理論を考慮した洞窟性魚類の適応進化機構の解明
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19J22686
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| Research Institution | University of the Ryukyus |
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Principal Investigator |
小林 大純 琉球大学, 理工学研究科海洋環境学専攻, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| Keywords | 洞窟 / 適応 / ノコギリハゼ科 / カワアナゴ科 / ハゼ目 / 両側回遊 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は社会情勢の影響下で変更した計画のもと，昨年度までに収集した標本に基づき，カワアナゴ属とジャノメハゼ属の洞窟性種それぞれの回遊パタンの推定と対象分類群の遺伝解析，分岐年代推定をそれぞれ実施した．回遊については，耳石微量元素分析に基づき，カワアナゴ属とジャノメハゼ属の洞窟性種の元素変動パターンを分析し，広域分散性の種と狭域で固有の種間で異なる回遊パタンが検出された．また，それぞれと同所的に生息する洞窟性種にも同様のパタンが確認され，洞窟の様式ごとに通し回遊性種からの進化メカニズムが推定された．系統解析については，本年度は洞窟性ジャノメハゼ属を含むノコギリハゼ科魚類を中心に実施し，昨年度の分類学的な検討結果と合わせて，ジャノメハゼ属の再定義とそれに伴う洞窟性種の系統学的位置づけの確定，分岐年代の推定を行った．この系統解析の過程でジャノメハゼ属内や近縁属に複数の隠蔽系統が含まれることが明らかになった．全ゲノムについては，先進ゲノム支援の補助も受けながら，テンジクカワアナゴの新規ゲノム配列決定と近縁種のリシーケンスを実施し，テンジクカワアナゴの高精度なリファレンスゲノムを取得した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度インドネシアでの実施を予定していた共通環境実験用の各洞窟性種の仔魚の採集が感染症による社会情勢の変化によって不可能になったため，当該項目は開始することができなかった．
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は系統解析のために，各対象種のゲノムをリシーケンスし，本年度決定されたテンジクカワアナゴのリファレンスゲノムにマッピングして解析を進める予定である．本年度仔魚の採集ができず実施できなかった，表現型可塑性の飼育実験による比較については，社会情勢の変化を注視しながら，異なる光環境の野生集団を用いて実験を行うなどの代用案を考慮に入れて柔軟に対応する．また，本年度明らかになった洞窟性種の周辺の分類群の隠蔽種についても形態データの追加の取得を試みる予定である．
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[Journal Article] Latitudinal variation in sexual dimorphism in a freshwater fish group2020
Author(s)
Sumarto Bayu K A、Kobayashi Hirozumi、Kakioka Ryo、Tanaka Rieko、Maeda Ken、Tran Hau D、Koizumi Noriyuki、Morioka Shinsuke、Bounsong Vongvichith、Watanabe Katsutoshi、Musikasinthorn Prachya、Tun Sein、Yun L K C、Anoop V K、Raghavan Rajeev、Masengi Kawilarang W A、Fujimoto Shingo、Yamahira Kazunori
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Journal Title
Biological Journal of the Linnean Society
Volume: 131
Pages: 898～908
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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