2019 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理及び深層学習を用いた植物機能の3次元情報解析
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19J22701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
板倉 健太 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 深層学習 / 樹木 / モニタリング / 画像解析 / 点群 / 3次元情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、雑誌の投稿論文を主著で4報、共著で1報を発表した。またシンガポール国立大学ややシンガポール科学技術庁(IHPC)、ニュージーランドのマッセー大学への留学を通し、技術的な成長に加え、コミュニケーション能力の向上や国際感覚を身に着けた。 雑誌の内容に関しては、カメラや画像解析技術を用いた樹木のモニタリング方法を提案した。360度カメラと呼ばれる全方向を計測できるカメラを用いて都市の植物を計測し、その画像から写真測量(SfM-MVS)と呼ばれる方法を用いて対象の3次元情報(点群)を再構成する。カメラからの情報や、その点群からの3次元情報を総合して樹木を自動的に検知する方法について提案した。カメラから樹木を検知する際は、深層学習による方法(YOLOv2)も用いており、当初の予定であった、深層学習や画像解析を利用した研究計画を無事に終了することができた。今後は、都市の樹木のみならず、森林領域でもそれらの方法が利用可能かなどを検討していく予定である。 また、留学に関してであるが、大学の研究科内の留学にかかる奨学金も利用しながら、シンガポールやニュージーランドへの留学を無事に終えることができた。シンガポールでは、都市の樹木のモニタリングがさかんで、景観維持や、環境整備、また観光客誘致などの目的でその樹木の形状だけでなく、将来の形状の予測なども行う。学術振興会特別研究員としての実績やスキルも留学先で活かすことができ、かつ、実際に応用を考えている研究者らと議論できたことは非常に実りがあった。本研究での手法や知見は世界の多くの場所や地域で必要であり、より広い視野を持って研究を続けていくことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の進捗状況はおおむね順調に進展していると考えている。理由として、画像解析技術や深層学習、機械学習を用いて樹木をモニタリングする内容が進んでおり、また今後の研究プランも比較的明らかであるからだ。またそれに加え、留学も無事終えることができたという点も大きい。現在はコロナウイルス蔓延防止のため、留学や海外渡航が非常に難しくなっている。その直前まで、海外での現地の研究者との交流ができたことが非常によかったと感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、コロナウイルスの関係で海外渡航や現地での聞き込みなどが難しくなるため、オンラインでのテレカンファレンスやチャットツールを用いて、これまでと変わりないコミュニケーションを持続できることを目標とする。留学などを通じて、海外の研究者とのつながりや、英語などをもちいてコミュニケーションすることのハードルが非常に下がったため、その経験を活かし、海外の研究者とのやりとりを増やしていけるようにしたい。また、データに関しても、これまでは自身の足で取得していくことがメインであったが、昨今は3Dのデータも含め、データセットとして公開されているものも多く、実験などに自身で行けない場合でもそのようなデータセットを用いて、あらかじめプログラミングコードの検証などに務め、研究活動をよりスムーズに行えるよう工夫していきたい。
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