2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating interaction of tau and alpha-synuclein co-aggregation in neurodegenerative disorders
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19J22779
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
高市 雄太 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| Keywords | 神経変性疾患 / rTg4510 / PS19 / 鰭脚類 / tau / α-synuclein / アミロイドβ / GSK-3β |
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| Outline of Annual Research Achievements |
昨年度からの継続していた研究によって、rTg4510マウスの脳では過剰リン酸化tau（hp-tau）の蓄積に関連してリン酸化α-synuclein（p-αSyn）が不溶化、多量体化して蓄積しており、それにはGSK-3βの活性化が関連していることが明らかになった。具体的には、tauopathyモデルのrTg4510マウスの脳でhp-tauの蓄積に伴いp-αSynが蓄積していた。αSynのリン酸化に関与する酵素（GSK-3β、PLK-2、PP2A）の発現量を検索した結果、rTg4510マウスではhp-tauおよびp-αSynの沈着に伴いGSK-3βが活性化していた。また、様々な溶媒を用いて蛋白質を抽出し解析した結果、rTg4510マウスでは可溶性のαSyn単量体の量が低下しており、不溶性のユビキチン化αSyn 2量体（オリゴマー）の量が増加していた。
今年度からin vivoにおける神経変性蛋白質の蛋白質間相互作用について鰭脚哺乳類の症例を用いて脳の加齢性変化に関する研究を開始した。老齢の鰭脚哺乳類の脳血管壁および大脳皮質に線維性のアミロイドβ（Aβ）の沈着を認めた。また、大脳皮質の神経細胞および希突起膠細胞に線維性のhp-tauの沈着を認め、これらはsarkosyl不溶性で、超微形態学的にも線維状であった。以上の結果から、鰭脚哺乳類は加齢性にヒトのアルツハイマー病で観察される老人斑、神経原線維変化に類似した病変を形成することが明らかになった。次に、鰭脚哺乳類の脳における生理的なAβおよびtauの発現を検索した結果、鰭脚哺乳類はヒトと相同なアミノ酸配列のAβを発現していた。一方で、鰭脚哺乳類は5つのtauアイソフォーム（1N3R、2N3R、0N4R、1N4R、2N4R）を発現していたがヒトとは異なり0N3Rのtauアイソフォームは発現していなかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から継続していた研究により、rTg4510マウスの脳ではhp-tauの蓄積に関連してp-αSynが不溶化、多量体化して蓄積しており、それにはGSK-3βの活性化が関連していることを明らかにし、論文化した。
また、齧歯類以外の動物症例を用いた研究によって、鰭脚哺乳類（アシカ科、アザラシ科、セイウチ科）が加齢性に脳にAβとhp-tauを蓄積することを発見し、それらの基礎的なデータを収集することで、新たなアルツハイマー病の自然発症モデルとして報告することができたため、来年度からの食肉目（イヌ科、ネコ科、鰭脚類動物）を用いた比較生物学的研究の基盤を構築した。
したがって、本年度の進捗状況は概ね順調と考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は、別のtauopathyモデルであるPS19マウスを用いて、昨年度rTg4510マウスで観察された現象が異なる変異tauの発現によっても誘起されることを確認する。具体的には、老齢のPS19マウスを用いてhp-tauの蓄積と関連してp-αSynが蓄積することを確認する。また、αSynをリン酸化に関連する酵素（PLK-2、GSK-3β、PP2A）の発現量や活性状態の変化について検索し野生型マウスと比較する。TBS可溶画分（多量体、線維）、TBS不溶画分、sarkosyl不溶画分（凝集物）を抽出し、それぞれの凝集状態のαSynについて解析する。
昨年度までの研究で鰭脚哺乳類におけるAβとhp-tauの蓄積に関する基礎的データを収集した。本年度は、食肉目動物（イヌ科、ネコ科、鰭脚類）の症例を用いて、Aβとhp-tauの蓄積に関する生物種差を比較生物学的に解析する。具体的には、老齢個体におけるtauの多量体形成について検索する。また、Aβやhp-tauの蓄積に関与するシグナル伝達物質や酵素の発現量や活性状態の変化の加齢性変化について検索する。
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Research Products
(5 results)
