2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規分泌タンパク機能アッセイ系を用いた、哺乳類SSCニッチの誘導メカニズムの解明
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19J22868
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 あや 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 精巣 / 精巣網 / セルトリバルブ / SOX17 / Luminal flow |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類精巣で作られた精子は曲精細管(ST)管腔へと放出され、管腔内液の流れ(Luminal flow)に乗って精巣網(RT)へ運ばれる。しかし、精子発生制御においてRTがどのような機能的役割を担うのかは不明である。RTとSTの境界部にはセルトリ細胞からなる弁様構造であるセルトリバルブ(SV)が存在するが、これは隣接するRTからのパラクラインシグナルにより、細胞非自律的に誘導される(Imura-Kishi & Uchida et al., 2021)。我々はマウスRT上皮細胞でSox17が発現する事を明らかにし、RT特異的なSox17欠損(cKO)雄マウスが不妊となる事を見出した。そこで、RTにおけるSox17発現を軸とした、RTによるSV形成誘導機構、および精子発生制御機構の解明を目的とし本年度は研究を行った。cKOマウスでは生後4週齢以降、SV弁様構造の破綻、および異所性の円形精子細胞の出現が観察された。SV弁の破綻に伴い、STではLuminal flowの逆流、および伸長型精子細胞以降の精細胞減少による精子発生異常が観察された。また、cKOマウスのRT上皮細胞では明らかな組織学的異常は見られない一方、scRNAseq解析からcKO RT上皮では成長因子をコードする遺伝子群の発現が低下傾向にある事を見出した。これにより、RTにおけるSOX17発現がSV弁形成に必要な事、そしてSV弁が、STにおける精子発生に必須の機能を担う事を示した。これらの成果は、RT・SVが精巣全体のホメオスタシスを制御するという、新たな解剖学的な知見を提供するものである。以上の成果は現在国際誌へと投稿中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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