2020 Fiscal Year Annual Research Report
人生全体のウェル・ビーイングの評価:幸せの時間パターンに対する選好分析を通して
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19J22920
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 迪大 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ウェル・ビーイング / 対人関係 / 社会的排斥 / 所属欲求 / 食欲 / 摂食 / MRI / ポジティブ心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウェル・ビーイングは人々の生活に根差し、日々の活動の中に現れる。それは年に一度生じるような特別な出来事に限らず、毎日生じるものからもウェル・ビーイングは生じる。そしてそのような小さな、しかし生涯にわたり継続的に生じるウェル・ビーイングは記憶に残りにくいがゆえに軽視されやすいが、人生の大部分を構成しているものである。本年度は昨年度に引き続き、ウェル・ビーイングをめぐり生涯を通じて重要な要因である他者関係と食物の関係性に着眼し、両者の関係性を検討した。 他者から排斥されるなど、他者との関係が危機に陥る時、人は関係性を修復しようと行動することが知られている。また、食べ物を求めることも知られている。このような危機的状況の時、他者や食べ物をどのように求めているのであろうか。また求めることで幸福感を得ることが出来ているのであろうか。この問いを神経科学的に検討した。 具体的に参加者はMRIの中で、排斥経験を操作するために心理学で一般的に用いられるサイバーボール課題を実施し、他者から排斥又は受容される経験を操作的に作り出された。その後他者からの好意的反応のサインである笑顔の画像、および美味しそうな食べ物の画像を提示され観察した。これらの画像を観たいかどうかをボタンの早押しという行動指標によって測定すると同時に、脳画像の撮像を行った。現在は本実験の途中であり、予定サンプルサイズの達成まで引き続きMRI実験を継続して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響を受け夏まで研究遂行が滞り気味であったが、夏以降に何とかMRI実験の準備及び実施まで漕ぎつけることが出来た。MRI実験自体は現在に至るまでおおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続きMRI実験を継続しデータを収集する。またデータの解析を行い、論文執筆を行う。結果如何ではあるが、引き続き対人関係に根差すウェル・ビーイングと、食欲などの他種類の欲求に根差すウェル・ビーイングをつなぐメカニズムを検討する予定である。
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