2021 Fiscal Year Annual Research Report
人生全体のウェル・ビーイングの評価:幸せの時間パターンに対する選好分析を通して
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19J22920
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 迪大 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ウェルビーイング / 所属欲求 / 食欲 / 社会的排斥 / 対人葛藤 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
ウェルビーイングは古くから研究の対象となってきた。古代ギリシャ時代にアリストテレスによって整理されただけでなく、近年は心理学において科学的方法論の中でウェルビーイングについての研究がなされてきた。そのようなウェルビーイングは多様であり、日常に根差すものである。また、多くのウェルビーイングは生涯にわたり繰り返される人間行動と共に存在するものである。本年度は昨年度までに引き続き、生涯にわたり日常的に経験し続ける人間の基礎的な欲求に焦点を当てながら研究を行った。 具体的には対人関係への欲求と食べ物への欲求の関係性を実証的に検討した。生得的に所属欲求を持つとされるヒトは進化の中で他者との葛藤を避けるように行動をしてきた。また、対人ストレスは現代人にとって大きな問題である。他者との関係が危機に瀕した時、他者との関係を再構築する行動が広く見られるが、危機への対応はそれだけではなく、食べ物という他の資源を求めることでもなされる。この問いを神経科学的実験法と心理学的調査法を元に検討した。 具体的には、神経科学的実験においてはこれまでに引き続き、参加者はMRIの中で社会的排斥を受け、その後に笑顔画像および美味しそうな食べ物画像を呈示された。これらの画像を予測した時の反応を観察したところ、笑顔画像を呈示されたときに脳内の報酬反応が高まった。 また、心理学的調査においては対人葛藤を経験した時の暴食傾向を報告してもらったところ、対人葛藤の経験頻度が高い人ほど暴食傾向が強く、この傾向は特性所属欲求の高さに調整されていた。すなわち、特性所属欲求が高く安定的に所属欲求が高い人は、対人葛藤を多く経験すると特に暴食傾向が高かった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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