2019 Fiscal Year Annual Research Report
膝OAの進行予防に向けた膝筋活動増大メカニズムの解明と治療指針の提供
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19J23020
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
園尾 萌香 埼玉県立大学, 保健医療福祉学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 立ち上がり動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は《変形性膝関節症の進行予防に向けた膝筋活動増大メカニズムの解明と治療指針の提供》を目的としている。本年度は特に変形性膝関節症患者における矢状面上の運動パターンに関係する要因を解明すべく、以下2点を実施した。 1) 変形性関節症者における立ち上がり動作の特徴の解明 立ち上がり動作は矢状面上の運動学・力学的要素が必要不可欠な動作である。したがって、変形性膝関節症者の立ち上がり動作の矢状面運動パターンを明らかにすることを目的として、システマティックレビューとメタ解析を実施した。本システマティックレビューでは運動学的・運動力学的・筋電図的要素に対して質的・量的統合を実施した。結果として、体幹の前傾と側屈を増大した立ち上がり運動方略を取ることに起因して、膝関節のモーメントが対照群よりも低減されていることを示唆した。一方で、時間的効率性や膝関節に対する力学的効率性、筋活動的効率性が健常高齢者と比較して低いことが明らかになった。 2) 変形性膝関節症者の身体機能を計測するための新たな計測環境の構築 変形性膝関節症の運動パターンに関与する可能性がある身体的特徴を明らかにすべく、今まで定量化されてこなかった身体受動特性を計測するための環境構築を試みた。具体的にはBIODEXを三次元動作解析装置と組み合わせて使用することで、身体受動特性計測装置の実装を試みた。赤外線カメラの設置台数を多くする必要があったが、全ての必要試行において下肢関節角度計測を可能にする実験環境を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の流行や緊急事態宣言の発令により、当初予定していた被験者のリクルートを満足に行うことができなかった。しかしながら、矢状面要素を反映する課題動作の設定や、運動パターンに関与する可能性のある身体特性を計測するための環境設定の一部を完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画で予定していた被験者計測を満足に行うことができなかったため、COVID-19の流行状況を見ながら適宜被験者計測を実施する予定である。また、計測と並行して被験者の身体特性を反映することのできる最適化モデルの作成を進めていく予定である。
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