2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of biodiversity formation mechanism in an ancient lake of Myanmar: an approach from the evolutionary history of freshwater fish
Project/Area Number |
19J23130
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福家 悠介 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | 生物相形成 / 古代湖 / 淡水魚 / ミャンマー / MIG-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本地域固有のコイ科魚類の1種であるMicrorasbora rubescensについて、形態解析およびMIG-seq法によるゲノムワイドな多型解析に基づいて、河川で繋がっている地域間における形態的非分化を伴わない遺伝的分化を明らかにした。この現象は、本種の止水環境への適応とそのニッチの保守性によって説明できるかもしれない。この成果はJournal of Fish Biology誌に発表した。 また、初年度に行ったタイワンドジョウ科の固有種の研究について、追加の遺伝解析および共同研究者との議論を行った。その結果、現在インレー湖周辺域でみられる遺伝的・形態的に分化した2系統の共存は、近縁種の二次的接触と異なる環境への適応によって形作られたことが示唆された。この成果は、論文にまとめ、現在国際学術誌に投稿中である。 さらに、改良MIG-seq法で得られたゲノムワイド多型データおよびミトコンドリアゲノムデータに基づいて、インレー湖とその周辺に広く分布する固有種8種群について、近縁種からの分岐および種内分岐の年代、遺伝的集団構造、地点間の遺伝子流動を推定した。その結果、固有種の近縁種からの分岐は、長期に渡って断続的に生じており、本地域の地理的隔離が厳密ではないことを強く示唆した。一方で、多数の固有種の存在は、近縁種との遺伝子流動が制限されていたことを示し、本地域の中程度の隔離が高い種多様性と固有性の形成に貢献したことが示唆された。固有種の集団構造には複数のパターンが認められた。一部の種間で認められた集団構造パターンの共通性は、その種の分散能力の程度やハビタットの類似性によって部分的に説明が可能であった。これらの成果は、現在投稿準備中である。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)