2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of rabies growth inhibitor mimicking alpha-helix peptide
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19J23200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
植田 大樹 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 有機化学 / 創薬化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来の承認薬にはあまり見られない立体的な分子構造を有する阻害剤を開発することを目的としている。本年度はまず、以前から当研究室で見出していた低酸素誘導因子(Hypoxia-inducible factor 1, HIF-1)阻害剤の標的タンパク質を同定しようと考えた。その目的を達成するため、従来の阻害剤の構造に加えて、標的タンパク質との共有結合形成およびアフィニティ精製を可能とするようなリンカーを有する化合物を合成しようと試みた。新たな基質を出発物質として採用し、以前確立した反応手順に従って合成を行ったが、終盤で反応が進行せず、目的物は得られなかった。 本年度の9月上旬から3月末までは、従来扱っていた化合物群と同様の立体的炭素骨格構造を有する新規化合物の合成法開発を行った。種々の反応剤を検討した結果として、ほとんどの反応剤では目的の反応は進行しないか、反応が進行したとしても望まぬ副生成物が得られる結果に終わったが、最終的にある反応剤を用いた条件下で、それぞれ異なる位置に置換基を導入可能な新規化合物2種類が選択的に合成できることを初めて見出した。現在は反応条件の更なる最適化を行っている段階である。また前述の反応剤検討のなかで、予期しなかった反応形式での新規化合物の合成にも成功した。これらの成果は本研究の目的に照らして考えると非常に重要な進捗であり、合成できた新規化合物は有用な阻害剤候補化合物となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたHIF-1阻害剤の標的タンパク質同定は失敗に終わり、また、余裕があれば取り組む予定でいた阻害剤候補化合物のライブラリー構築は未だ行えていない。しかし新規化合物を与える新たな反応が見つかったのは大きな進捗であり、今後の研究を進める上でも重要であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、昨年度見出した骨格構築反応の条件最適化を行う。そのためにまず当該反応が日本の研究室でも問題無く行えることを確かめる必要がある。再現性を確認した後には、反応条件の最適化において既に溶媒・反応温度・反応時間については検討を行ったが、添加剤の検討を未だ十分に行えていないため、そこから着手してより高い収率で目的物が得られる条件を見つけようと考えている。 最適条件が見つかった後は、阻害剤候補化合物群の合成とライブラリー構築を行う。その後、大分大学との共同研究により、狂犬病ウイルス増殖阻害活性の評価を行う。活性のあるリード化合物が見つかった後は、さらに細かく構造を最適化して活性の向上を目指す。
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Research Products
(2 results)