2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of rabies growth inhibitor mimicking alpha-helix peptide
Project/Area Number |
19J23200
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
植田 大樹 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | 有機化学 / 創薬化学 / 低分子阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、2019年度後半のアメリカ派遣中に見出したヨウ化サマリウムを用いる還元的環化反応の最適化に引き続き取り組んだ。具体的には、2019年度の段階で十分な検討ができていなかった添加剤のスクリーニングを行い、結果として同反応については最適条件を見つけることに成功した。また、同じ基質を用いたMannich反応による環化反応を見出すことができた。こちらの反応についても反応条件の最適化および基質適用範囲の検討を終え、両反応で立体的な骨格分子を構築することに成功した。 さらに、自身の修士課程において開発した立体的阻害剤と同様の炭素骨格に、窒素原子を導入することで側鎖のバリエーションを増やしたリガンドの開発にも成功した。こちらについても基質適用範囲の拡大を行い、立体的化合物群の合成に成功した。 これらの成果は、立体的阻害剤開発を目指す本研究の意図と照らして考えても重要な成果であると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で示した2つの研究トピックとも、鍵となる環化反応に用いる原料の合成に時間がかかってしまったことが理由として挙げられる。 1つ目の研究トピックに関しては、アメリカ派遣中に見出した反応に原料として用いる化合物の合成を日本の研究室で再現しようと試みたところ、目的物の収率が低下してしまった。なるべく同じ条件を再現しようと検討したが大きな改善は見られず、研究室ごとの設備の違いが収率低下の原因となったと考えている。 2つ目の研究トピックについても、原料合成のスケールアップの際に収率が低下するという問題が見つかり、目的とする反応の条件検討に時間がかかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに見出してきた立体的骨格分子の合成法よりも、合成ステップ数の少なさと基質の拡張しやすさの面でさらに優れた反応を用いることを計画している。具体的には、ある研究グループから過去に合成方法が報告されているものの、そのライブラリー化や生理活性評価は全く行われていない立体的構造に着目しており、その合成を行おうと考えている。従来取り組んできた立体的化合物群と比較すると大幅に合成ステップを短縮できるため、大規模なライブラリーを短期間で構築できると期待している。 合成した立体的化合物については、これまで創薬分野において用いられていたリガンドには無い立体的特徴をもつことを示し、さらに所属研究室での細胞に対する活性評価試験や、共同研究によって様々な生理活性の評価を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)