2021 Fiscal Year Annual Research Report
超低損失パワーデバイス実現に向けた窒化ガリウム中の深い準位の生成メカニズムの解明
Project/Area Number |
19J23296
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鐘ヶ江 一孝 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ワイドバンドギャップ半導体 / 窒化ガリウム / 炭化ケイ素 / 深い準位 / 点欠陥 / DLTS / 容量過渡分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、窒化ガリウム及び炭化ケイ素中でデバイスプロセスによって生じる欠陥準位の深さ方向分布の抽出方法の開発を行った。前年度まで行っていた窒化ガリウム中の炭素アクセプタ密度の定量において、炭素アクセプタの密度が深さ方向に均一であることを仮定していた。本年度は、より一般的な深さ方向に密度分布を有する場合を考慮するため、デバイスプロセスによって意図的に深さ方向分布を生じさた欠陥密度の定量を行った。 窒化ガリウム及び炭化ケイ素の表面に対して反応性イオンエッチングによる全面エッチングを行い、表面から深さ方向に密度分布を有する欠陥を形成した。エッチングした試料の表面にショットキー電極を形成し、等温過渡容量分光法によりエッチング誘起欠陥を評価した。従来法では、欠陥密度分布の空間分解能と密度の感度にトレードオフの関係があり、急峻に変化する密度分布の定量は困難であった。本研究で提案した方法では、接合に印加する充填パルス電圧と測定電圧を細かく変化させ、測定した平均的欠陥密度の空乏層幅依存性を詳細に解析することで、上述のトレードオフの関係を回避した。 本研究により提案された欠陥密度の深さ方向分布の抽出方法と窒化ガリウム中の炭素アクセプタ密度の定量手法を組み合わせることで、炭素アクセプタ密度が深さ方向分布を有する場合でも、その密度分布を精密に定量することが可能となった。 また、空間分解能と欠陥密度の検出感度に優れる本手法は、デバイスプロセス誘起欠陥の評価に有用である。実際に、表面に局在する窒化ガリウム及び炭化ケイ素中の反応性イオンエッチング誘起欠陥密度の深さ方向分布の抽出に成功した。反応性イオンエッチングによって形成された炭化ケイ素中の炭素空孔欠陥と格子間炭素欠陥の密度の深さ分布から、エッチングによるこれらの対照的な炭素関連欠陥の生成メカニズムの解明に至った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)