2021 Fiscal Year Annual Research Report
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19J23671
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深谷 菜摘 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 分子集合体 / 超分子ポリマー / ジケトピロロピロール / 超分子化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,水媒体中において優れた一重項分裂特性を示すπ共役分子集合体の創出を目的としている.これまで,一重項分裂が期待されるジケトピロロピロール(DPP)集合体に着目し,種々のスペクトル測定および顕微鏡観察により両親媒性DPP誘導体の集合特性を評価してきた.その結果,加熱後に急冷すると準安定状態であるナノ粒子状集合体を形成し,誘導期を伴いながらシート状集合体へ転移することを見出した.2021年度は,両親媒性DPP誘導体がナノ粒子状集合体およびシート状集合体を形成する機構について理解を深めるため,親水基の長さが異なる両親媒性DPP誘導体を新たに合成し,その集合特性を評価した.水媒体中におけるシート状集合体に対して良溶媒を加えながら吸収スペクトルを測定した結果,短い親水基を有する両親媒性DPP誘導体は単分散状態へ分解したのに対し,親水基を長くするとシート状集合体からナノ粒子集合体への転移が確認された.続いて,シート状集合体のサイズ制御に向けて,準安定なナノ粒子状集合体を用いて種重合に取り組んだ.超音波処理により調製したシート状集合体を種として用い,加熱冷却処理により速度論的かつ選択的に調製したナノ粒子状集合体に添加したところ,直ちにシート状集合体へ転移することがわかった.さらに,シート状集合体とナノ粒子状集合体の比率を変えて混合することにより,シート状集合体のサイズ制御を達成した.これらの結果は,水媒体中における種重合の実現において親水基と疎水基の精密な分子設計が重要であることを示している.集合体のサイズが光誘起ダイナミクスに及ぼす効果について知見を得るためフェムト秒過渡吸収分光測定を行った.その結果,サイズの異なるシート状集合体において同様のコヒーレントな分子振動が確認され,種重合により均質な集合体が形成していることが示された.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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