2021 Fiscal Year Annual Research Report
白色腐朽菌の代謝切り替えスイッチとしての水分活性センシング機構の解明
Project/Area Number |
19J23714
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
元田 多一 宮崎大学, 宮崎大学大学院 農学工学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 白色腐朽菌 / 浸透圧応答 / MAPK / Hog1 / エタノール発酵 / 形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄のマングローブ林より単離された白色腐朽菌Phlebia sp. MG-60株は固相条件下では選択的な脱リグニンを行うが、液体培地では多糖分解酵素を分泌し糖質の分解と代謝を盛んに行う。この事から、白色腐朽菌における水分活性センシング機構に注目し、高浸透圧応答MAPK経路(HOG経路)に着目した。 Phlebia sp. MG-60-P2株(Phlebia sp. MG-60株由来のプロトプラスト再生株)のHOG1様遺伝子(MGhog1)の全長配列を取得した。MGhog1の配列を基にMGhog1-RNAi コンストラクトおよび MGhog1 恒常発現コンストラクトを作製し、MGhog1発現抑制株 (KD株) および発現誘導株 (OE株) を作製した。 コントロール(空ベクター導入株)と比較してKD株は、PDA培地(寒天培地)およびNaCl添加PDA培地上において生長が抑制される傾向が見られ、 OE株は、NaCl添加PDA培地上において生長が強く抑制される傾向が見られた。 PDB培地(液体培地)で各菌株を培養したところ、コントロールと比較してKD株は生長が早く、OE株は生長が遅い傾向が見られ、菌糸の生長に比例してグルコースは消費され、培地中のエタノール濃度は上昇する傾向が見られた。 振盪培養条件下 (160 rpm)では、KD株およびOE株の菌体生長速度はコントロールと変わらないが、KD株のエタノール発酵能はコントロールと比較して高い傾向が見られた。コントロールでは培養上清中に分裂子様異形細胞が確認されたが、OE株では分裂子様異形細胞は確認されず、KD株では培養上清中の分裂子様異形細胞数がコントロールと比較して多くなる傾向が見られた。 これらの結果より、本菌のエタノール発酵、菌体生長および菌糸の形態形成はHOG経路を介して制御される可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)