2021 Fiscal Year Annual Research Report
ALMAガス観測で探る銀河団環境下での実は多様な銀河星形成抑制機構
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19J40004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諸隈 佳菜 東京大学, 大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2023-03-31
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Keywords | 銀河団 / 銀河進化 / 星間物質 / 星形成 / 環境効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
「ろ座」銀河団銀河のALMAデータを解析し、論文執筆作業を進めた。 「ろ座」銀河団は、おとめ座銀河団と比べて、質量が小さく、銀河団ホットハローガスから放射されるX線の強度が弱い、という特徴を持っている。そのため、おとめ座銀河団と比べて、銀河団ホットハローガスから受けるラム圧の影響が小さいと考えられている。ALMAデータ解析の結果、以下の結果が得られた:[1]普通の環境にいる銀河(以降、フィールド銀河)と比べて、星質量に対する分子ガスの質量の比(M_H2/M_star)が小さい、[2]星形成銀河の主系列に対して、星形成率(SFR)が低い「ろ座」銀河団銀河は、同程度の星形成率の低さをもつフィールド銀河と比べて、M_H2/M_starが小さく、星形成効率(SFR/M_H2)が高い、[3]周辺の銀河個数密度が高い銀河ほど、M_H2/M_starが小さい、[4]銀河団中心からの距離と銀河団に対する速度を掛け合わせた量(銀河団への落下時期の指標)が小さい銀河(より昔に銀河団に落ちてきた銀河)ほど、M_H2/M_starが小さい、[5]銀河の半径に対する潮汐半径の比(r_tidal/r_gal)が小さいほど、M_H2/M_starが小さく、SFR/M_H2が高い、[6]M_H2/M_star比は、銀河団への落下時期に最も強く依存する。これらは、「ろ座」銀河団において、SFR/M_H2よりも、M_H2/M_starが低くなることが銀河の星形成抑制に効いていること([1]より)、ガスの消費/剥ぎ取りのタイムスケールが普通の星形成銀河のガスの消費のタイムスケールより短いこと([2]より)、銀河同士より銀河団-銀河の相互作用の方が重要であること([3][4][6]より)、銀河団-銀河の相互作用により、SFR/M_H2が高くなり、ガスの消費を促進した可能性([5]より)を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の世界的な流行により、自治体の保育所の学級閉鎖や子供の登園自粛により、思うように研究が進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染者数が比較的少なくなる、春から秋にかけて集中して研究を進める。特に「ろ座」銀河団の論文は早急に投稿し(5月中)、本課題のメインゴールである、複数の銀河団での比較論文を急ぎ執筆する。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] CO(J=1-0) mapping survey of 64 Fornax galaxies with the ALMA Morita array2022
Author(s)
Kana Morokuma, Jing Wang, Kenji Bekki, Yusei Koyama, Minju Lee, Kouichiro Nakanishi, Paolo Serra, Tadayuki Kodama, Tsutomu T. Takeuchi, Baerbel Koribalski, Shuhei Koyama, Tomoki Morokuma, Takuji Yamashita, Fumi Egusa, Bi-Qing For
Organizer
2022 Spring Annual Meeting, Astronomical Society of Japan