2022 Fiscal Year Annual Research Report
ALMAガス観測で探る銀河団環境下での実は多様な銀河星形成抑制機構
Project/Area Number |
19J40004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諸隈 佳菜 東京大学, 大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2023-03-31
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Keywords | 銀河団 / 銀河進化 / 星間物質 / 星形成 / 環境効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、ろ座銀河団のデータ解析・論文執筆を行った。ろ座銀河団は、おとめ座銀河団の次に、我々の近傍に位置する銀河団で、おとめ座銀河団と比べると質量は小さい、銀河団ガスは少ない、銀河団中心領域の銀河の数密度が高い、という特徴を持つ。おとめ座銀河団との比較を通して、銀河団で働く環境効果の多様性を調べる上で、重要な研究対象の一つである。 我々はALMA望遠鏡を用いて、ろ座銀河団銀河64天体に対する、世界最大のCO(J=1-0)輝線(以下、CO輝線)サーベイ観測を行い、アーカイブデータと併せて、銀河団銀河の低温ガス(原子・分子ガス)と星形成の性質を調査した。具体的には、2021年度に発表したおとめ座銀河団に対する研究と同様に、フィールド銀河との比較、銀河団銀河の低温ガス・星形成の性質と、銀河団中心からの距離、銀河数密度、位相空間上での分布位置(銀河が銀河団に落ちてきた時期の指標)との関係を調べた。 その結果以下を明らかにした:(1)ろ座銀河団銀河の低い星形成活動性は、低温ガスから星への変換効率が低いからではなく、低温ガスの量が少ないことに起因すること、(2)星形成活動性の低い、つまり、低温ガスの量が少ない銀河は、フィールド銀河と比べると特に原子ガス質量が減少していること、(3)星形成活動性が低く、低温ガスの量が少ない銀河は、銀河団中心近く・銀河団数密度が高い所に多く、またより昔に銀河団に降着してきたものが多いこと、(4)一方で、銀河の星形成効率は銀河団中心からの距離・銀河数密度・ 位相空間上での分布位置に依存しないこと。これらの結果は、ろ座銀河団においては、銀河団ガスからのラム圧と、銀河-銀河間や銀河-銀河団間の潮汐力により、分子ガスの材料となる原子ガスが剥ぎ取られ、星形成の直接の材料となる分子ガスの形成が抑制され、その結果、銀河の星形成活動性が低下した、と考えると辻褄が合う。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] CO(J=1-0) mapping survey of 64 Fornax galaxies with the ALMA Morita array2022
Author(s)
Kana Morokuma, Jing Wang, Kenji Bekki, Yusei Koyama, Minju Lee, Kouichiro Nakanishi, Paolo Serra, Tadayuki Kodama, Tsutomu T. Takeuchi, Baerbel Koribalski, Shuhei Koyama, Tomoki Morokuma, Takuji Yamashita, Fumi Egusa, Bi-Qing For
Organizer
2022 Spring Annual Meeting, Astronomical Society of Japan
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[Presentation] CO(J=1-0) mapping survey of 64 Fornax galaxies with the ALMA Morita array2022
Author(s)
Kana Morokuma, Jing Wang, Kenji Bekki, Yusei Koyama, Minju Lee, Kouichiro Nakanishi, Paolo Serra, Tadayuki Kodama, Tsutomu T. Takeuchi, Baerbel Koribalski, Shuhei Koyama, Tomoki Morokuma, Takuji Yamashita, Fumi Egusa, Bi-Qing For
Organizer
ALMA/45m/ASTE Users Meeting 2022