2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural Capital and Social Space in Contemporary Japan
Project/Area Number |
19J40201
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯 直樹 慶應義塾大学, 法学部, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | 文化資本 / 不平等 / 対応分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主として3種類の研究成果を発表した。一つは、本研究課題の基本的な理論枠組みとして用いているブルデュー社会学に関するものである。日本におけるブルデュー受容について2編の論文を公刊し、事典や概説書でブルデューに関する項目などを分担執筆した。 この他には、私が2018年に実施したウェブ調査から得られたデータの計量分析を行い、「新自由主義的性向と文化資本」という論文を公刊した。そのデータを用いた分析は、日本社会学会の口頭発表およびInternational Sociological Associationの大会での口頭発表にて研究成果を発表した。 Recherches sociologiques et anthropologiques誌にフランス語で掲載された論文は、1995年と2015年のSSM調査データを用いた計量分析による研究成果である。この論文により、本研究課題のキーワードである「社会空間」を理論的かつ経験的に検討した。以上の研究業績以外にも、学術誌に投稿して査読中になっている論文も複数ある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は「現代日本の文化資本と社会空間」という研究課題について、理論研究と経験的研究の両面から研究成果を公刊することができた。私が2018年に自ら実施したウェブ調査データの分析に関しては、2つの口頭発表と1つの論文でそれぞれ異なるテーマで研究成果を発表している。また、SSM調査データの二次分析を行い、ウェブ調査データの分析と関連付けて研究を進めている。以上のような実証研究の支えになる理論研究についても、順調に研究成果を発表している。 以上の理由から、本年度もおおむね順調に研究が進展したと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの理論研究と経験的研究の統合を目指し、「現代日本の文化資本と社会空間」という本研究課題について総合的に取り組んでいく予定である。そのために必要な分析と理論的課題を、令和3年度は扱う予定である。
|