2020 Fiscal Year Annual Research Report
共生微生物を利用した水生雑草成長制御技術の分子基盤
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19J40259
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉田 明希子 東京農工大学, 大学院 農学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2023-03-31
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Keywords | ウキクサ / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
水田の雑草である水生植物ウキクサは、繁殖力が旺盛で種子を介さない栄養繁殖で次々に新しい個体を増殖させることから扱いやすく、また水質浄化の指標植物として利用されている。本研究課題では、ウキクサが実際に旺盛に繁殖している水田において、ウキクサの栄養繁殖・生殖繁殖過程に影響を及ぼす細菌を探索し同定することを目的としておこなった。今年度は、無菌ウキクサに水田微生物を共生させたときのウキクサに共生する微生物叢の変化についてを時間を追って調べた。水田土壌は、慣行栽培水田と有機栽培水田を用いて比較した。またそれら微生物叢のアンプリコン解析の準備をおこなった。さらに、微生物がウキクサに共生する過程でのウキクサの形態変化についても解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、無菌ウキクサに水田の微生物を共生させて、共生の評価する系の確立をおこなった。ウキクサに共生した微生物叢のDNAを抽出して16SrRNA遺伝子のアンプリコン解析の準備を進めている。研究に使用しているアオウキクサは、短日処理で栄養繁殖から生殖繁殖に切り替わる。そこで、ウキクサの繁殖の切り替わりが、微生物を共生させたことにより影響を受けるかどうかを評価する系の確立も試みた。次年度は、これら確立した系を用いて、ウキクサに共生する有用微生物の同定をおこなう予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、無菌ウキクサに水田微生物を共生させてからの経時的に変化していく微生物叢の16SrRNA遺伝子をシーケンスしてアンプリコン解析をおこなう予定である。また、これら微生物叢の中から、ウキクサ植物の成長を促進する機能をもつ微生物(Plant Growth-Promoting Bacteria)の単離同定をおこなう予定である。
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