2021 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ーゴルジ体を経由しないガレクチン新規分泌経路の解明
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19J40312
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山口 亜利沙 高知大学, 教育研究部医療学系, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2019-10-01 – 2023-03-31
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Keywords | ガレクチン / 非古典的分泌経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、ガレクチンーEMARS反応触媒酵素キメラタンパク質を発現するベクターを作製している。本ベクターをHeLa細胞に導入し、安定発現株も作製している(HeLa WT)。 上記の細胞株を用いてEMARS反応を行い、質量分析を行うため、その精製法を検討した。その結果、次の方法を最適とした。EMARS反応後、DE-52カラムにて過剰なFITCを除去する。続いて、Anti-FITCセファロースビーズにてFITC標識されたタンパク質を精製し、過剰FITCにてビーズより標識タンパクを競合溶出させる。その後、クロロホルム/メタノール(1:2)にて、標識タンパク質を沈殿させ、SDC/SLS溶液に溶解させる。本精製法を用いて、HeLa WT(Dox-)および(Dox+)のEMARSサンプル(Dox-:Dox+=1:1)をSILAC法による質量分析に供した。具体的には、SDC/SLSに溶解させたサンプルを還元アルキル化、トリプシンにて消化し、酢酸エチルにて界面活性剤を除去した。その後、脱塩を行い、ペプチドをLC-MS/MS質量分析を用いて解析した。 その結果、Light<Heavyとなる138個のタンパク質が同定された。この中にはGalectin 3およびmCherry-APEX-ガレクチン3-HiBiTキメラタンパク質も同定された。Log2 (ratio H/L)>1のタンパク質として、A-kinase anchor protein 11, Complement decay-accelerating factor, Myosin-9, 10, 11, 14, Tropomodulin-3, Secreted Ly-6/uPAR domain-containing protein, Mucin-like protein 1などが同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SILAC法を用いた質量分析を実施した際に、コントロール区に多くのタンパク質が同定された。質量分析では珍しくないことだが、より正確に分泌に関わるタンパク質を同定するため、サンプルの精製法を再検討した。このため、やや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、同様のSILAC法による質量分析を数回行い、同定された候補分子について、CRISPR/Casテクノロジーを用いてノックアウトし、ガレクチン3の分泌が阻害あるいは抑制されるか否かを解析することで、ガレクチン3の分泌に関わる分子を明らかにする予定である。
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