2022 Fiscal Year Research-status Report
和辻哲郎の倫理学理論の行為論的転回:「徳」に基づく知覚と行為の一体的構造
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19K00008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯嶋 裕治 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (80361591)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 規範の知覚 / 概念主義論争 / ジョン・マクダウェル / ヒューバート・ドレイファス / マルティン・ハイデガー / 和辻哲郎 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に示した手順2「和辻の行為論を現代の議論状況の内に位置づける」、および手順3「知覚と行為に横断的に関わる概念能力としての「徳」の探究」に関して、その研究成果を『規範と人間』というタイトルの著作としてまとめるべく、令和4年度は引き続き原稿の執筆を進めてきた。 ある程度原稿を書き進め、内容が具体化されてきたこのタイミングで、著作全体の構成を練り直すことにした。その結果、元々は全4章で構想していたところを、全3章として再構成するに至った。 本全体のテーマとしては、「われわれ人間にとって「規範」がどんな働きをしているのか、どのように関わり合っているのか、ひいては、どんな存在者であるのか」を解明することとして設定した。 また各章をそれぞれ以下のような具体的な課題に取り組むものとして、その位置づけを明確化した。すなわち、第1章「規範と行為」では、まず規範的秩序があってこそ人間の行為も有意味なものとして可能になることについて論じ、続く第2章「規範の理解」では、規範に関する人間の側での事前の理解があるからこそ個々の行為も可能となることを、いわゆる「規則のパラドクス」に反論するという形で論じ、最後の第3章「規範の知覚」では、そうした規範をそもそも人間はいかに知り(知覚・認知し)得ているのか、またそれに対していかに反応・応答しているのかについて、「概念主義論争」を手がかりとしながら論ずることとした。 令和4年度までに第1章およびと第2章の原稿はほぼ完成しており、最後の第3章の執筆を進めている最中である。令和5年度中の原稿の完成、出版に向けて引き続き作業を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染状況や家庭の事情により、著書の原稿執筆やブラッシュアップに少々遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染状況等の事情により、研究の進捗に遅れが生じてしまったため、補助事業期間の再延長を申請し承認を得ることができた。 改めて本研究課題の最終年度として、その最終的な研究成果として、著書(『規範と人間』)の原稿を完成させ、出版への目処を付ける予定である。
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Causes of Carryover |
研究発表や打ち合せのための国内出張を予定していたが、新型コロナウィルスの感染状況を受けて、その一部を取りやめた。その分の助成金は、改めて出張費用等として使用予定である。
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