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2021 Fiscal Year Annual Research Report

思想史的研究に基づく「道徳的運」論の再構築

Research Project

Project/Area Number 19K00020
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

古田 徹也  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00710394)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords運 / 偶然性 / 人生の意味 / 幸福
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、これまでの研究を総括しつつ、偶然という要素が不断に織り込まれた世界という観点から、人生の意味や幸福、自由といった価値ないし概念をどのように見出すことができるかについて、古代から現代に至る西洋倫理学の議論を跡づけ、再考する研究を遂行した。その成果は、主として以下の三種類の研究としてまとめられる。
(1)「籤(くじ)」というものが人々の生活や社会においてどう位置づけられ、どのような役割を担ってきたのかについて、古代ギリシアと現代における空想的事例を題材にすることで浮き彫りにした。
(2)あらゆる価値を偶然の所産として受けとめつつ、特定の価値にコミットして生きる、というアイロニカルな人間のあり方はいかに輪郭づけられ、人生の意味や幸福の追求といかに折り合うことができるのかにめぐって、古代懐疑主義および現代のトマス・ネーゲルやリチャード・ローティらの論点を整理し、比較を行った。
(3)世界に生じる事態の一切を偶然として受けとめた場合に、世界のなかになお自由や価値を見出すことができるかについて、現代のルートウィヒ・ウィトゲンシュタインの議論を跡づけつつ、古代ギリシアの諸議論との比較を行った。
以上の成果は、論文「くじ引きは(どこまで)公正なのか――古代と現代における空想的事例をめぐって」(『法と哲学』7、77-104頁)、論文「前期ウィトゲンシュタインにおける「意志」とは何か」(『現代思想』49-16、105-116頁)、学会発表「偶然とアイロニー――英米圏の現代哲学の一断面をめぐって」(比較思想学会第48回大会シンポジウム「運命と偶然」)等々のかたちですでに公にしており、今後もいくつかの学会において公開を行う予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Journal Article] 意志・幸福・神秘:前期ウィトゲンシュタインにおける「倫理的なもの」をめぐって2022

    • Author(s)
      古田徹也
    • Journal Title

      哲学

      Volume: 73 Pages: 83-95

  • [Journal Article] くじ引きは(どこまで)公正なのか:古代と現代における空想的事例をめぐって2021

    • Author(s)
      古田徹也
    • Journal Title

      法と哲学

      Volume: 7 Pages: 77-104

  • [Journal Article] 前期ウィトゲンシュタインにおける「意志」とは何か2021

    • Author(s)
      古田徹也
    • Journal Title

      現代思想

      Volume: 49-16 Pages: 105-116

  • [Presentation] 前期ウィトゲンシュタインにおける「意志」とは何か2021

    • Author(s)
      古田徹也
    • Organizer
      日本哲学会第80回大会学協会シンポジウム「論理と倫理:『論考』100年を機に」
    • Invited
  • [Presentation] 偶然とアイロニー:英米圏の現代哲学の一断面をめぐって2021

    • Author(s)
      古田徹也
    • Organizer
      比較思想学会第48回大会シンポジウム「運命と偶然」
    • Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

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