2021 Fiscal Year Research-status Report
ソクラテスから新プラトン主義にかけての倫理思想とその現代的意義に関する基礎研究
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19K00024
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
吉沢 一也 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (60711710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 宗太郎 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 助教 (20761878)
西村 洋平 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90723916)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知性主義 / 非合理的欲求 / 知識・判断・信念 / ソクラテス / プラトン / アリストテレス / 新プラトン主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021度は、2020年度に引き続き、「非合理的な欲求が行為決定に及ぼす影響」を古代の哲学者がどのように捉えているかについての検証と、ソクラテスから新プラトン主義にいたる「非合理的な欲求/判断・信念/知識――行為」をめぐる哲学史的展開の考察の2点を中心に研究を進めた。研究代表者(吉沢)は、プラトンの対話篇『プロタゴラス』の精読を中心にして、前年度の成果に基づいて、ソクラテス/プラトンの欲求・行為・価値規範について、哲学史的観点からの考察を行った。研究分担者(福田)は、プラトンの対話篇『ゴルギアス』と『メノン』の精読を中心にして、欲求とその対象、主体の知識や判断・信念との関係をめぐるソクラテス/プラトンの見解についての考察を行った。また、研究分担者(西村)は、プロティノスの「徳について」「幸福について」といった倫理的論考について、プラトン・アリストテレス・ストア派の影響を併せた考察を行った。研究代表者・分担者の研究成果について、第6回古代道徳心理学研究会(2022年2月、オンライン)において情報共有を行った。そこにおいて福田はその研究成果を、「プラトン『メノン』77b-78bと『ゴルギアス』466a-468eにおける欲求」という論考にまとめ口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため、教育・大学運営に係る学務のエフォート率が著しく高まり、想定していたエフォートを研究に充てることが困難となった。また、計画していた専門家を招聘してのワークショップも、上記と同様の理由で開催することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も長引くコロナ禍に対応するため、2021年度に引き続きGoogle MeetやZoomを使ったオンライン研究会を計画している。具体的には、2度の古代道徳心理学研究会の開催(2022年8月、12月)と、1度のワークショップの開催を計画している(2022年3月)。またワークショップは、アクラシア問題とストア派、現代徳倫理学の専門家を招聘して行う予定であるが、これも対面方式が不可能であればオンラインで行うことを試みる。
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Causes of Carryover |
研究者を招聘して行う予定であったワークショップが、コロナ禍の影響を受けて中止となったため。また、注文中の海外書籍の配達が著しく遅れているため。
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