2020 Fiscal Year Research-status Report
レヴィナス哲学の総合的再検討と国際的研究基盤の構築
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19K00040
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村上 暁子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (10823734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 晃樹 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (00786626)
平岡 紘 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (00823379)
馬場 智一 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 准教授 (10713357)
服部 敬弘 同志社大学, 文学部, 准教授 (10770753)
小手川 正二郎 國學院大學, 文学部, 准教授 (30728142)
渡名喜 庸哲 立教大学, 文学部, 准教授 (40633540)
長坂 真澄 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (40792403)
藤岡 俊博 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90704867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会思想 / 思想史 / ユダヤ思想 / 教育哲学 / フェミニズム / 倫理学 / 現象学 / レヴィナス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「レヴィナス協会」の中心的メンバーによる研究協力体制に基づき、レヴィナス哲学を総合的に再検討し、日本におけるレヴィナス哲学の全体像を更新するとともに、その成果を広く世界に発信し、さらなる国際的な研究協力の推進のための国際的・学際的な研究基盤を形成することを目的とするものである。 本年度はまず、共同研究者の各々がテーマ研究に注力し、1本の学術論文、2本の欧文書籍の書評を含むオンラインジャーナル『レヴィナス研究』第二号(2020年7月)を公刊した。同誌には、昨年度にレヴィナス協会で開催したシンポジウム「レヴィナスとローゼンツヴァイク 歴史と物語をめぐって」に登壇した佐藤香織氏、藤岡俊博氏、森田團氏による寄稿が含まれている。 また、9月26日には、オンライン(Zoom)にて、1点の研究発表、および、2名の登壇者によるシンポジウムを含む第三回レヴィナス協会大会を開催した。「レヴィナスと経験の問題」と題されたシンポジウムには、長坂真澄氏と樋口雄哉氏が登壇し、レヴィナスにおける「経験」の位置づけや、ヴァールとレヴィナスの相違などをめぐって議論がなされた。その内容は、来年度刊行予定のジャーナルに盛り込まれる予定である。 さらに、本研究課題の総合的な成果として哲学・倫理学・隣接分野の研究に資する最新研究情報の整理を試みる『レヴィナス読本』の企画について、各項目の担当者による執筆作業を行い、共同研究者および研究協力者からなる編集委員会において原稿の推敲作業を進めた。今後は、2022年春の公刊を目指して、本企画の内容を広く発信するためのイベントの企画や、細かな編集作業に注力していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画した事業(ジャーナル刊行、研究大会・シンポジウム・講演会等の開催、各担当者による調査研究、『レヴィナス読本』企画立案)のうち、国際的な規模のイベントについてはCOVID-19により実施を断念せざるを得なかったが、それ以外はすべて順調に完了し、『レヴィナス読本』刊行に向けた作業も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
『レヴィナス研究』第三号の創刊、および、『レヴィナス読本』の編集作業のため、RAを二名採用して作業を加速化する。また、『レヴィナス読本』については、各担当者およびレヴィナス協会の中心メンバーによる編集会議を行うことで内容の充実化、および、書籍としての統一化をさらに図っていく。 研究分担者の渡名喜庸哲氏の著作『レヴィナスの企て 『全体性と無限』と「人間」の多層性』の合評会を行う。また、レヴィナス協会研究大会・シンポジウムを実施し、日本各地の研究者間の交流と意見交換の場を実現する。 情勢を踏まえつつ国際的な研究交流の方法を模索し、国内外の研究者の協力のもと、レヴィナスの国際的・学際的な研究基盤形成に向けて積極的な活動を行う。
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Causes of Carryover |
レヴィナス協会会員の増加により、協会費を活用できたため。また、COVID-19の世界的蔓延により、国際的なイベントや資料調査の実施が困難であったため。繰り越した分は、主として『レヴィナス読本(仮)』の編集や関連イベントの企画運営、出版準備に充てる。
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Remarks |
(1)は『レヴィナス研究』第2号のサイト。オンラインジャーナルを無料で閲覧できる。 (2)はレヴィナス協会のホームページ。国内で行われる主なレヴィナス研究関連イベントの情報発信を行っている。
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Research Products
(6 results)