2021 Fiscal Year Research-status Report
ドローン兵器の是非に関する戦争倫理学的研究―〈必要性〉条件からの分析と評価
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19K00045
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松元 雅和 日本大学, 法学部, 教授 (00528929)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 戦争倫理学 / ドローン / 必要性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非対称戦争においてドローン兵器を使用することの道徳的是非を、〈必要性〉に照らし合わせて分析・評価することである。令和3年度は、交戦能力の顕著な格差をもたらす今日の技術革新が、〈必要性〉の観点から道徳的にどう評価されるかを論証する研究を継続した。具体的には、〈必要性〉を反映する開戦法規上の最終手段条件に関する戦争倫理学的是非を検討したうえで、自衛および緊急避難における同条件の機能や範囲の妥当性を検証した。その成果の一端として、「国際政治哲学はいかなる『理想』を語りうるか」市川ひろみ・松田哲・初瀬龍平編『国際関係論のアポリア―思考の射程』(晃洋書房、2021年)、23-37頁を公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、非対称戦争においてドローン兵器を使用することの道徳的是非を、〈必要性〉に照らし合わせて分析・評価することである。令和3年度は、交戦能力の顕著な格差をもたらす今日の技術革新が、〈必要性〉の観点から道徳的にどう評価されるかを論証する研究を継続した。その結果、〈必要性〉を反映する開戦法規上の最終手段条件は、自衛よりもむしろ緊急避難の文脈で普及してきたこと、また自衛における侵略国の帰責性や軍事制裁、非軍事制裁の列度を比較すれば、正戦の深慮的条件と見なせることを明らかにした。これらの研究成果を通じて、本研究の当初課題の達成に向けた知見のひとつを得ることができた。その一方で、感染症問題により、本研究の成果を国際会議で発表するという予定が達せられておらず、令和4年度に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の課題は、研究計画の最終年度として、交戦能力の顕著な格差をもたらす今日の技術革新が、〈必要性〉の観点から道徳的にどう評価されるかを論証することである。また、前年度より持ち越しとなった、本研究の成果を国際会議で発表するという予定を実施するとともに、学会報告で得られた修正点を踏まえ、英語論文を執筆し、実施期間内に英文査読誌に投稿する計画である。
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Causes of Carryover |
理由としては、感染症問題により本研究成果を国際会議で発表する予定が持ち越しとなったからである。今後の国内外の渡航条件等を考慮しつつ、令和4年度に国際会議の発表を実施する計画である。
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[Book] 『政策と規範』2021
Author(s)
佐野亘・松元雅和・大澤津
Total Pages
282
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623086849
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