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2021 Fiscal Year Annual Research Report

中国近世諸子学の構想:宋明道家思想研究の成果拡充を企図して

Research Project

Project/Area Number 19K00052
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

三浦 秀一  東北大学, 文学研究科, 教授 (80190586)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山田 俊  熊本県立大学, 共通教育センター, 教授 (30240021)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords道家思想 / 諸子学 / 中国近世 / 宋明
Outline of Annual Research Achievements

研究分担者の山田俊は、2022年2月刊行の『金朝道家道教の諸相』(汲古書院)所掲論考を含む各種の学術論文において、11~13世紀中国の知識人もしくは専門道士による老子注その他の著作を幅広く検証し、そのなかに『文子』や揚雄『法言』など各種の「諸子」が引用されている事実を掘り起こした。金代の寇才質がその『道徳真経四子古道集解』に『文子(通玄真経)』を多用していることに注目して唐代以来の『文子』受容史を概観し、かつその歴史のなかの注釈書の意義を明確化したことは、本科研の研究成果として特筆したい。
研究代表者の三浦秀一は、正徳・嘉靖期を代表する老子注として薛蕙『老子集解』と王道『老子億』が共通して儒仏道三教一致の思想傾向を有しつつも、とりわけ『老子億』に仏教由来の言葉が目につく理由を考察し、それは撰者王道のかつての師であった王守仁(陽明)の学問において「無善無悪」の主旨が正確に理解されていなかった事態を批判する意図のもと採用された方法であると捉えた。王門の朱得之がその荘子注である『荘子通義』において、陽明の致良知説を十全に把握すべく荘子に沈潜したことと同様、王道は仏教思想を駆使した老子注において、王学の不備を老子によって補おうとしたのであり、嘉靖後半における老荘という諸子の新たな活用方法がここには示されている。
三浦はまた、万暦年間に撰述された『詹氏性理小辨』の諸子学がこの時期の最新情報を活用したものであることを明らかにした。同書の撰者である詹景鳳は、「大道」に資する内容であるならばとの条件つきではあるが、この時期においてまだ稀覯本に属した諸子書をも幅広く渉猟するなか、当時通行の管子に関しては、宋本に依拠して新たに校勘された趙用賢のテキストを採用してその思想的意義を明らかにしたのである。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022 2021

All Journal Article (4 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 『老子』注釈史に於ける『文子』2022

    • Author(s)
      山田 俊
    • Journal Title

      熊本県立大学共通教育センター紀要

      Volume: 1 Pages: 100-114

  • [Journal Article] 中国近世思想史に於ける司馬光、『法言』、『老子』2022

    • Author(s)
      山田 俊
    • Journal Title

      熊本県立大学文学部紀要

      Volume: 28 Pages: 91-114

  • [Journal Article] 『詹氏性理小辨』考2022

    • Author(s)
      三浦 秀一
    • Journal Title

      陽明学

      Volume: 32 Pages: 29-69

  • [Journal Article] 仏老を雑へて仏老を超ゆ(下)2021

    • Author(s)
      三浦 秀一
    • Journal Title

      東洋古典学研究

      Volume: 51 Pages: 57-86

  • [Presentation] 『性理大全書』改訂運動と陽明後学ー『詹氏性理小辨』考ー2021

    • Author(s)
      三浦 秀一
    • Organizer
      二松学舎大学シンポジウム「陽明後学研究の現在」
  • [Presentation] 明代の知識人における仏経道典の読誦とその背景2021

    • Author(s)
      三浦 秀一
    • Organizer
      東方学会シンポジウム「儒道二教と仏教:三教交渉を再考する」
  • [Book] 金朝道家道教の諸相2022

    • Author(s)
      山田 俊
    • Total Pages
      722
    • Publisher
      汲古書院
    • ISBN
      978-4-7629-6704-7

URL: 

Published: 2022-12-28  

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