2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Amnayamanjari based on Sanskrit-Tibetan bilingual Codex
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19K00055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊谷 竜太 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (50526671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アバヤーカラグプタ / アームナーヤマンジャリー / サンプトードバヴァタントラ / インド密教 / 密教注釈文献 |
Outline of Annual Research Achievements |
アバヤーカラグプタ(11世紀頃)の手による密教百科事典的注釈書『アームナーヤマンジャリー』について第1章の校訂・訳注研究を中心に研究を進めている。近年発見された梵蔵バイリンガル写本にもとづき、根本聖典ならびにチベット大蔵経諸版に収録されたチベット語訳版本に加えてカマラナータのヘーヴァジュラ注『ラトナーヴァリー』など同書の典拠となったと考えられる諸注釈書も適宜対照する。 2021年度は2020年より続く世界的パンデミックによって2020年度と同じく当初予定していた海外での写本調査(イギリス、ネパール)をほとんど行うことができず、さらにハンブルク大学における調査や対面での研究会もごく限定的なものとなった。ハンブルク大学における滞在については、フライトの都合でウクライナ危機にともなって当初の予定を繰り上げて帰国する必要があり、こうした状況よりさらなる1年間の期間延長を申請した。 なお、すでに根本聖典の「サンプトーバヴァタントラ」ならびに梵蔵バイリンガル写本のチベット語訳を対照した『アームナーヤマンジャリー』第1章全体の梵文翻刻の作業はほぼ終わっており、本年度はこの研究成果の一部を順次公開し、さらには全体を出版できるよう作業を進めていく予定である。作業の遅延に関してはできるだけ期限内に終わらせることができるよう最大限の努力を尽くす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では海外における複数の研究機関と連携しつつ『アームナーヤマンジャリー』に引用あるいは並行箇所をもつ梵文写本の収集・デジタル化を目指していた。 しかしながら2021年度も2019年より続く世界的パンデミックによって、2019年度以来当初予定していた海外での写本調査(イギリス、ネパール)をほとんど行うことができず、またハンブルク大学における対面での研究会も一部可能になったとは言え、新たなオミクロン株の流行によって制約されたごく限定的なものとなった。 なおハンブルク大学における2021年度の滞在については、フライトの都合でウクライナ危機にともなって当初の予定を短縮し、あるいは繰り上げて帰国する必要があり、こうした状況よりさらに1年間の期間延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに根本聖典の「サンプトーバヴァタントラ」ならびに梵蔵バイリンガル写本のチベット語訳を対照した『アームナーヤマンジャリー』第1章全体の梵文翻刻の作業はほぼ終わっており、本年度はこの研究成果の一部を順次公開していく予定である。 とくに冒頭の敬礼偈と全体の要義を含んだ部分の校訂と訳注に関しては年度内の刊行を目指している。以上に加えてさらには第1章全体の校訂・訳注を次年度に出版できるよう作業を進めていく予定である。作業の遅延に関してはできるだけ期限内に終わらせることができるよう最大限の努力を尽くす。
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Causes of Carryover |
一昨年よりの世界的パンデミックにより、当初予定していた海外資料調査ができなくなり、さらにウクライナ危機により海外渡航の予定を短く変更した。以上の理由から次年度使用額が生じたが、海外資料調査を国内研究機関が所蔵するサンスクリット写本の網羅的調査に変更することで未使用分の使用にあてる。
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Research Products
(4 results)