2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K00073
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石井 真美子 立命館大学, 文学部, 教授 (40533154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 進 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (30532262)
山内 貴 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (20838065)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中国古代思想 / 出土文献 / 中国古代兵書 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はこれまで『學林』(中国芸文研究会)に発表してきた、「『銀雀山漢墓竹簡〔貮〕』訳注」(『銀雀山漢墓竹簡〔貮〕』文物出版社、2010年の訳注)をまとめて出版した。具体的には、2015年3月刊行の『學林』第60号から、2019年11月刊行の第69号までの10回掲載分である。内容としては、軍事や政治に関して言及した「論政論兵之類」五十篇の訳注に当たる。それをまとめて、合評会で指摘されたことを反映させるとともに、誤字・脱字などを修正し、新たな見解も加えた。さらに、2015年以降に国内外で発表された、銀雀山漢墓竹簡に関する研究、出土文献に関する論文・著書などを可能な限り集め、注釈に反映させた。組版や校正、索引作成などはすべて研究代表者・分担者の三名で行い、修正を加えつつ校正を重ね、ほぼ一年間かけて完成させた。また、全体を概観するものとして、研究代表者の石井が2015年に『學林』第60号に発表した「銀雀山漢簡「論政論兵之類」諸篇の関係について」を加筆修正して「解題」として加え、末尾に思想を考察したものとして「銀雀山漢簡「將義」に見る將の条件」(『立命館文学』第664号、2019年11月)を収録した。成果は『銀雀山漢墓竹簡〔貮〕論政論兵之類 譯注』として朋友書店より2021年1月付で刊行した。 銀雀山漢墓竹簡の研究は未だ多いとは言えず、篇ごとに扱った研究はあるが、全体や未分類の残簡も含めた研究は少ない。今回、銀雀山漢墓竹簡「論政論兵之類」50篇に対し注釈をほどこし、国内外の注釈も集め併せて収録したことで、出土文献の研究にとって意義のあるものになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで発表した訳注をまとめて出版することができた。さらに、国内外の関係論文や著書などの研究を反映することができ、充実した内容にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、『銀雀山漢墓竹簡』の訳注を行う。「論政論兵之類」の訳注は終了したので、「陰陽時令・占候之類」の訳注を行い、成果を『學林』(中国芸文研究会)に掲載する。また、今回出版した「論政論兵之類」の訳注を基礎として、銀雀山漢墓竹簡の思想について研究を行う。あるいは、今年度中に銀雀山漢墓竹簡の新たな図版が出版される可能性もあるので、その場合は新たな図版の内容を反映させた「論政論兵之類」部分の修正を発表する。
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Causes of Carryover |
研究成果物である書籍の出版が年度末にかかり、出版費用が2021年度分の扱いとなったため、2020年度分として計算されなかった。また、2020年度は新型コロナウイルスの流行により、研究活動も制限され、当初予定していた、校正作業のアルバイトへの依頼が中止されたために使用されなかった。 2021年度分については、書籍の出版費用は既に支払われている。さらに、研究資料の収集費用、論文を海外の学術誌に投稿するための翻訳料、関連するデータベースの購入費などに使用する予定である。
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