2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K00073
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石井 真美子 立命館大学, 文学部, 教授 (40533154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 進 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (30532262)
山内 貴 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (20838065)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 出土文献 / 竹簡 / 中国古代思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、引き続き『銀雀山漢墓竹簡〔貳〕』の訳注を行った。今年度からは「陰陽時令・占候之類」諸篇の訳注に入り、まずは「一、曹氏陰陽」・「二、陰陽散」・「三、禁」の三篇の訳注を『學林』(中国芸文研究会)第72号(2021年6月)に掲載した。続いて、「四、三十時」の訳注を『學林』第73号(2021年12月)に掲載した。これらの篇は、季節の移り変わりや季節ごとの動植物や現象を陰か陽かに当てはめ、その時期にすべきこと、すべきではないことを定めるという時令の考え方にもとづいたものである。 中国古代の陰陽の考え方、また季節をどのように区切るのか、どの季節にどのような時令を出すのかについては、概ね前漢頃には固定してきており、戦国末期頃の『呂氏春秋』や漢代の『礼記』に見ることができる。しかし、先秦では様々な考え方があったことがわかってきており、文献によって違いがある。今回訳注を行うにあたって考察した以上の四篇も、出土地である山東省に古代存在した斉の地で書かれた『管子』と似たような記述があるが、異なる部分もあり、古代の陰陽・時令の考え方についての新たな資料となるものである。特に「三十時」は農業を中心とした『管子』とは異なり、軍事活動に重きを置いており、これまで訳してきた論政論兵之類や『孫子兵法』などと同じ墓に埋葬されていた意味を考えることができた。 科研費を受けての研究は2021年度で終了することとなるが、訳注は引き続き行っていく。「五、迎四時」・「六、四時令」「七、五令」は『學林』第74号(2022年6月刊行予定)に掲載する予定である。また、銀雀山漢墓竹簡の新たな図版が2022年度春にようやく公開を開始したので、これまでの研究と対照しながら修正も加えていく予定である。
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