2019 Fiscal Year Research-status Report
宗教学生成期における宗教起源論の系譜をめぐる総合的研究
Project/Area Number |
19K00076
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
江川 純一 明治学院大学, 国際学部, 研究員 (40636693)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 亮 島根大学, 学術研究院人間科学系, 教授 (40191275)
久保田 浩 明治学院大学, 国際学部, 教授 (60434205)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 宗教の起源 / 宗教学学問史 / イタリア宗教史学 / フランス社会学年報学派 / ドイツ宗教学 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一回の研究会を開催し、宗教起源論をめぐる問題を共有した。まず研究代表者である江川が「宗教起源論の系譜と認知宗教論」と題した報告を行い、宗教起源論をめぐる学問史的検討が現在の認知宗教論を理解する際の助けとなることを述べた。次に、分担者の久保田が「宗教現象学における宗教の「起源」と「本質」」と題した報告を行い、20世紀前半にドイツとオランダで展開したとされる「宗教現象学」を宗教起源論として再検討することの可能性について述べた。最後に山﨑が「社会学年報派における「新たなる宗教起源論」」と題した報告を行い、宗教起源論を主軸に据えることで、ヴィクトリア期の「宗教進化論」と社会学年報派を連続した流れとして捉えることができることについて述べた。 「宗教起源論」という問題設定により、18世紀から21世紀にかけての宗教研究を連続した流れとして捉えることができるという知見は初年度の成果である。 また、江川がオーストリアとドイツにおいて、ヴィーン学派とイタリア宗教史学派による、最高存在論を中心とした宗教起源論に関する資料収集を行った。 研究会での問題共有と資料収集によって得た文献をもとに、それぞれが、宗教起源論の重要文献の訳出作業と、解説執筆のための文献読解を開始した。担当は、江川がイタリア宗教史学・ヴィクトリア期の宗教論・フランス『社会学年報』派、久保田はがドイツ・オランダの宗教現象学、山﨑がヴィクトリア期の宗教論・フランス『社会学年報』派である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本科研における資料収集に基づく、宗教学の学問史に関する翻訳の刊行を年度内に予定していたが、果たせなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大の影響でヨーロッパの研究機関における文献取集が当面不可能となったため、電子データの送付を依頼するなどの代替手段を考えている。 今後も地道な文献読解と翻訳作業が中心となるが、現在国内の移動が困難状況であるため、研究会をオンライン上で行い、進捗状況の確認と議論を重ねていきたい。
|
Causes of Carryover |
購入予定であった書籍が刊行延期となり、入手できなかったため。
|
Research Products
(6 results)