2021 Fiscal Year Research-status Report
Inclusion, Friction and Exclusion over Islamic Thought – Conflict between Khana Kao (Old Group) and Khana mai (New Group) in Thailand
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19K00084
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
柴山 信二朗 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 准教授 (40572235)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イスラーム / タイ / イスラーム思想と実践 / キターブ / ウラマー / 公的イスラーム / チュラーラーチャモントリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もコロナ禍の影響により、計画していた2回の現地調査が実施できなかった。そのため、インターネットを通して継続的に補完的調査を実施した。また、研究協力者(海外共同研究者)に依頼し、タイ南部地域にあるクルアーン・ミュージアムの①所蔵イスラーム書の冊数・書式名・著者などの確認、②展示されているイスラーム書の説明文資料の収集(写真撮影等)、③ウラマーに関する展示物の資料収集(写真撮影等)を行った。 2021年度の研究実績は次のとおりである。インターネットを通した補完的調査により得た現地語資料及び研究協力者より提供を受けた情報により、調査地におけるイスラームの歴史と学派について考察した。タイ南部は多くのウラマーを輩出しており、彼らにより多数のイスラーム書(キターブ)が著されている。これらキターブの中には、現在においてもイスラーム宗教学校やモスクにおけるイスラーム教育に用いられているものもあり、調査地のイスラーム思想と実践に大きな影響を及ぼしている様子が窺えた。一方、19世紀以降に中東の改革主義思想の影響を受けたウラマーには「カナ・マイ(新しいグループ)」のものと評されるイスラーム学習形態を取り入れた宗教学校を設立・経営しカナ・マイと評される側面がある一方で、「カナ・カオ(古いグループ)」のものと評される宗教実践を行っている様子からはカナ・カオの側面も窺われ、錯綜した状況が見えてきた。 上述の考察結果の一部については、公益財団法人日本タイ協会の機関誌『タイ国情報』に雑誌論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、計画していた現地調査が実施できなかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの状況次第だが、次年度に計画している現地調査に加えて、過年度に実施できなかった現地調査を実施する。併せて、研究協力者に依頼し、調査地におけるマレー語ルミ文字資料及びジャウィ文字資料を収集・翻訳し、「カナ・マイ(新しいグループ」と「カナ・カオ(古いグループ)」の思想と実践をめぐる包摂・摩擦・排除の様態を明らかにすることを目指す。
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Causes of Carryover |
理由:コロナ禍の影響により、計画していた現地調査が実施できなかったため。 使用計画:次年度計画している現地調査に加えて、過年度に実施できなかった現地調査を実施する。併せて、研究協力者に依頼し、調査地におけるマレー語ルミ文字資料及びジャウィ文字資料を収集・翻訳する。
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