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2023 Fiscal Year Annual Research Report

宣教師資料に見る「満洲国」:植民地状況下におけるキリスト教伝道

Research Project

Project/Area Number 19K00090
Research InstitutionMeiji Gakuin University

Principal Investigator

渡辺 祐子  明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (20440183)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords中国キリスト教史 / 中国近現代史 / 「満洲国」研究
Outline of Annual Research Achievements

2020年度から所属組織の長に就いたため、研究時間を大幅に校務に割くことになり、海外調査にも行けずにいたが、研究最終年度の2023年度、ようやくエジンバラのスコットランド国立図書館での資料調査、収集を行うことができた(アイルランド長老教会歴史協会での調査は時間的余裕がなく断念)。
この調査によって、研究課題として掲げていた「『満洲国』における神社参拝問題」と「『満洲国』諸教会の合同問題」の考察を深めることができた。
同様の問題に直面していた植民地統治下の朝鮮と台湾とは対照的に、「満洲国」における神社参拝問題と教会合同問題はその概要すら十分に分かっていなかった。しかし今回の研究、特に宣教師資料の発掘によって、以下に簡単に述べるように、その概要が明らかになっただけでなく、朝鮮、台湾の状況との違いを示すことができた。
「満洲国」の神社参拝強制は、「孔子祭」への参加強制の後にやってきたが、神社参拝の強制が始まったころ、すでに宣教師はキリスト教学校運営からの撤退を決定しており、朝鮮や台湾と異なってキリスト教学校が対応に苦慮することはなかった。しかしそのことはこの問題自体が軽微であったことを意味するわけではなく、宣教師資料が「(満洲の教会が騙されて朝鮮の教会と同じ選択をすることになったら、ミッションは重大な問題に直面することになる」と記したことが現実となったように、教会への影響が極めて大きかった。
また「満洲国」の教会合同の大きな特徴は、政府以上に協和会の意向がものを言ったことである。「満洲国」の「理想」を実現させるためにあらゆる領域への介入を行った協和会は、キリスト教会を欧米ミッションの支配から脱却させるべく、日本人クリスチャンリーダーの協和会員を通して神学校教育にも入り込み、合同推進の旗振り役を行った。これは、他地域には見られない「満洲国」における教会合同の一つの大きな特徴であった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 中国人キリスト教コミュニティと関東大震災2023

    • Author(s)
      渡辺祐子
    • Organizer
      アジアキリスト教交流史研究会
  • [Book] 災禍において改革された教会2024

    • Author(s)
      渡辺祐子他
    • Total Pages
      268
    • Publisher
      教文館

URL: 

Published: 2024-12-25  

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