2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on the concept of femininity in biblical exegesis in late antiquity
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19K00103
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
佐藤 真基子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (30572078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 古代末期 / アウグスティヌス / 女性 / キリスト教 / 教父 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中間年度に当たる第二年度は、パンデミックの影響で予定していた国際学会が中止や延期になり、研究成果を学会で発表する機会は9月にオンラインで行われたシンポジウム(XI Augustinian Studies International Congress)での発表に留まった。また、国外在住に伴い、収集した資料を国内から輸送して得る必要があったが、パンデミックのために輸送の受付が中止されたため、研究遂行のための資料の分析が十分に出来なかった。年度内に出版が予定されていた二つの原稿("Man, Woman and Serpent as the Inner State of One person: Anthropology Based on the Interpretation of Genesis 3 in Didymus the Blind and Augustine of Hippo";「アウグスティヌスにおける楽園神話解釈に基づく人間観の形成――「嘘」の概念に注目して」)は、いずれも21年度内の出版に延期されたが、編者とやりとりをしながら原稿の推敲、校正を行うことができた。前者の原稿(ギリシア教父ディデュモスとラテン教父アウグスティヌスの間に見出される、性差の概念を個人の心のあり方に当てはめる思想の類似性を指摘)の共同執筆者であるPeter Steiger博士が、ディデュモスの思想について国内で2019年12月に行った研究発表の原稿を翻訳し、『パトリスティカ』24号に投稿した。(本誌の20年度内の出版は延期されたため21年度内に出版予定。)ディデュモスの聖書解釈の実態、その思想がラテン教父に与えた影響については、国内外いずれにおいても十分に研究がなされていない現状において、国内にその思想を紹介できたことは有意義な成果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パンデミックにより、予定していた国際学会が軒並み延期または中止となったため、研究成果を学会で発表する機会を十分に得られなかった。国外在住に伴い、収集した資料を国内から輸送して得る予定であったが、パンデミックのために輸送の受付が中止されたため、研究遂行のための資料の分析が十分に出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度に当たる21年度に入っても、パンデミックのために渡航の計画が立てにくく学会での成果発表が難しい状況にあるが、可能な限り本研究にふさわしい機会を得て成果を発表するべく取り組む。国内からの輸送の受付が21年6月には再開予定とのことであるので、資料を入手出来次第、昨年度十分に取り組めなかった資料の分析についても今年度内に取り組み、遅れを挽回するよう努める。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会がパンデミックのために中止や延期になったため、旅費を使用しなかった。次年度にはパンデミックの収束状況を見ながら、研究成果の発表にふさわしい機会を得次第使用予定である。また、国内研究機関での資料収集を依頼するために人件費を使用予定であったが、パンデミックに伴い研究所が閉所されていたため、人件費を使用しなかった。これについても、次年度内に使用予定である。
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Research Products
(2 results)