2020 Fiscal Year Research-status Report
人新世における動物と芸術ー21世紀の環境哲学の地平
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19K00127
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 知子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00334847)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動物 / 芸術 / テクノロジー / アニメーション / 狩猟 / ネイチャー・ドキュメンタリー / ディズニー / デジタルメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は芸術と環境、動物と人間の関係がどのように変化しつつあるのか、その系譜学を再考するとともに、人間と人間ならざるものとの関係性の変容を具体的な芸術作品をもとに明らかにしていくものである。 2年目にあたる2020年度はこれまでに収集した資料、情報データ、文献をもとに動物とその表象ー具体的には、20世紀のポピュラーメディアを牽引したディズニー映画における動物をめぐる政治ーを多角的に考察した。ディズニーというグローバルなメディアのなかで、どのような自然観、動物観が構築され、それらがどのように流通、受容されたのかを明らかにし、その成果を単著として刊行した。 また芸術と環境をめぐって、オラファー・エリアソンをはじめとするアーティストらにインタビューを行い、人新世と芸術に関する論考をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Covid 19 パンデミックの関係で、当初予定していた現場での調査は叶わなかった。だが、国際学会(オンライン含)での研究発表、アーティストへのインタビュー調査、文献調査等を概ね予定通り進行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2021年度は、デジタル・テクノロジー、生命科学、生命工学に関する知見をさらに深め、バイオアート、スペキュラティブ・デザインをアーティストへのインタビューと作品分析を通して考察していく。また現代社会における芸術と生命、生命と物質、生命と情報をめぐる関係性の変容、自然環境と人間社会との文明論的関係性について文献、資料調査をさらにすすめ、理論的に考察していく。それにより、現在の人新世をめぐる諸研究の可能性と陥穽を明らかにし、芸術とエコクリティシズムの新たな地平を切り拓きたい。
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Research Products
(12 results)