2020 Fiscal Year Research-status Report
Affective Figures: The Embodied Power of Art
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19K00129
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
平倉 圭 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (90554452)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 形象 / 触発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、芸術の制作/経験において「形象」が身体をどのように触発するかを、具体的分析と理論研究により解明することだ。研究の焦点は2つ。1)荒川修作+マドリン・ギンズの映画『例えば』を出発点に、具体的形象が作者と観者の身体をどのように触発し変容させるかを高解像度で分析すること。2)形象の力と身体の被触発性を、人類学・心の哲学・物質論・身振り論等を横断して理論的に研究すること。そこから本研究は、芸術的形象の制作/経験を、非人間的事物と人間身体が互いを巻き込みあう異種混淆的な「ダンス」として解明することを試みる。 2020年度は、コロナ禍によって移動や作品現物のリサーチに制限があるなかで、主に文献を通して映画『例えば』の歴史的文脈のリサーチを行った。特筆すべき成果は、荒川がニューヨークの路上で展開したある作品を見つけ、『例えば』の前史となりうる、路上とダイアグラムとの関係を見出したことである。あわせて、映像と身体と言語にまたがる荒川+ギンズの実践を分析するための理論的枠組の構築とリサーチに注力した。これらの問題系は2021年度に論文化される予定である。 また形象による触発という問題を、人間身体と非人間的事物のあいだの異種混淆的「ダンス」として描き出すというテーマの一環として、宮沢賢治の詩「蠕蟲舞手」についての研究発表を行った。詩の印刷技術との関係についてリサーチと考察を深めることができたことが成果である。この問題系は、さらに深化させて2022年度以降に論文化・書籍化する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍によって移動を伴うリサーチが制限されており、特に海外でのリサーチが不可能になったが、映像作品や文学作品など、現地に行かずに調査可能な作品を研究の中心的対象に据えることで、順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、映画『例えば』の作品分析を論文化することが前半の計画である。そのためにこれまでのリサーチを総合し、さらに新たな分析方法の開発に注力する。後半は宮沢賢治を始めとして異種混淆的「ダンス」としての形象制作/経験の研究を理論的にさらに深めるとともに、新たな対象のリサーチを開始することを計画している。
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Causes of Carryover |
年度末、物品購入後に残額が生じたが、必要な物品(書籍など)の購入には不足するため翌年度に繰り越した。2021年度に物品(書籍)購入費の一部としてまとめて使用する計画である。
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