2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K00135
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中原 ゆかり 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00284381)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 太鼓音楽 / 組太鼓 / 創作太鼓 / 世界音楽 / 伝統 / 創造 / 新型コロナ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウイルスの影響により、県外出張、フィールド調査が全く不可能となった。そのため予定を大幅に変更し、次の3点を実施した。(1)オンラインで開催された太鼓のイベントについての参与観察をおこなった。具体的には、日本において初めて開催されたWorld Taiko Conference、24時間八丈太鼓をはじめとした太鼓イベント等々である。(2)これまで調査をおこなってきた太鼓グループについての記録を文章化し、グループに送って、公開を前提に確認、訂正してもらう作業をおこなった。(3)今後世界的にオンライン、電子化が進んでいくことを予想し、これまで研究代表者が採集してきた太鼓と関連する映像音響資料のmp3化、mp4化をすすめている。 以上3点のうち、(1)のWorld Taiko Conferenceは、オンラインではあったが、北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアの太鼓グループが一同に会するはじめての機会であり、活発な意見交換がなされるという有意義なものであった。他にも太鼓のオンラインイベントを観察することができたが、どれもコロナ禍にあって太鼓のパフォーマンスを自由に行えない中、改めて太鼓を打つ意味を問い直している状況にある。太鼓の練習については、日本太鼓財団がホームページに掲載している「太鼓演奏における飛沫飛散検証結果」等が指標として活用され、数は多くないがコンサートやイベントも開催されている。(2)については、研究代表者が既に調査を行なったグループを対象としている。2021年度から成果として公開していく予定である。(3)については、現在のところ完了しているのは所蔵している分の一部ではあり今後も続けていく予定だが、来年度以降は研究者や太鼓奏者たちとともに活用する方法を考えていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた調査は全くできなかったが、これまでの調査について振り返り、考えなおし、より長期的な視点で計画をたてなおす機会となった。またこれまでの繋がりのある太鼓奏者や太鼓グループと連絡をとりあい、コロナ禍における情報を交換することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、次の3点を予定している。(1)オンラインイベントや太鼓会議等の参与観察を続ける。(2)これまで調査をおこなったグループの記録の文章化、および該当グループへの確認をおこない、順次成果として公開していく。(3)研究代表者が所有している映像音響資料のmp4化を続け、資料の活用について検討を進めていく。以上の3点にくわえ、県外出張や対面調査が可能な状況になった場合には、対面での調査を行う。
|
Causes of Carryover |
2020年度の最初の計画では、夏と春に大掛かりな調査を予定しており、予算の大部分を旅費にあてていた。コロナの状況を予測できず、3月に調査ができる可能性を最後までとっておいたが、結果的には調査に行けずに次年度使用額が生じた。研究計画を大幅に変更したため、2021年度には資料の整理、太鼓奏者たちとの確認のやりとり等に使用する予定である。
|