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2020 Fiscal Year Research-status Report

The Lydian Chromatic Concept and Toru Takemitsu

Research Project

Project/Area Number 19K00141
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

宮川 渉  明治大学, 情報コミュニケーション学部, 特任准教授 (10760051)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords武満徹 / リディアン・クロマティック・コンセプト / 地平線のドーリア / 雅楽 / 音楽理論 / 細川俊夫
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、リディアン・クロマティック・コンセプト(LCC)がジャズにおいてどのような形で使用された理論であるかを解明し、そこから武満徹のLCCの自作への応用方法の特徴を明らかにすることである。2020年度は武満がLCCを応用した作品として知られている《地平線のドーリア》を特に分析した。この点における先行研究としてピーター・バートの論文(2002)が挙げられるが、本研究ではバートの分析方法における問題点などを検討した上で新たな研究結果をもたらすことができたと考えている。この研究成果は日本音楽表現学会や東洋音楽学会で発表し、現在これらをもとに論文を執筆しており、学術誌に投稿する予定である。
またフランス・パリのL’IReMus (Institut de recherche en Musicologie) から作曲家細川俊夫の笙の作品に関する講演を2021年6月にフランス国立音響音楽研究所で行うことを依頼され、その準備を進めている。これに関連して2021年2月に細川にインタビューを行い、このインタビューは2022年1月にカナダの学術雑誌Circuitに掲載される予定である。武満から強い影響を受けた細川にとって雅楽は重要であり、この点は本研究に関連するものでもある。雅楽に関しては、笙奏者宮田まゆみにもインタビューを行なった。
またLCCには直接関係はないが、本研究に取り組む以前から進めていたスペクトル音楽に関する研究も継続し、日本音楽学会の学術誌『音楽学』にカイヤ・サーリアホに関する論文が掲載された。これらのことにより、20世紀後半の音楽家や作曲家たちに共通する考えや関心事を理解することが可能になると期待している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度はコロナによってこれまでになく大学の授業の準備に時間が取られ、研究に集中することが困難であった。また予定していたアメリカにおける資料収集や実地調査を実現することができなかったため、研究の方向性を見直す必要があった。その結果、武満徹作品研究を中心に国内で進められる研究に焦点を当てて研究に取り組んだ。
また国内でもコロナのため大学の図書館や資料館などを利用できないことがあり、研究を進める上で困難があった。

Strategy for Future Research Activity

本研究ではアメリカでの資料収集や実地調査が重要な点であるが、コロナだけでなくアジア系へのヘイトクライムがアメリカで社会問題になっているため、渡航に関しては今後の状況を観察した上で最終的に判断したい。現状としては国内で可能な研究を中心に取り組む予定である。リディアン・クロマティック・コンセプト(LCC)の研究に関しては、LCCのインストラクター・ライセンス所持者・藤原大輔が開催しているオンライン講座を受講してその理解を深め、必要に応じてインタビューなどもお願いすることを考えている。
LCCの研究と同時に武満作品研究も継続する予定である。特に《地平線のドーリア》以降の作品でLCCと関連すると考えられるものについて調査・分析を行う。
また「研究実績の概要」で記したように細川俊夫の作品研究にも取り組む予定である。

Causes of Carryover

本年度はアメリカでの資料収集や実地調査を行うための渡航費を計上していたが、コロナにより実現できなかったことが次年度使用額が生じた大きな理由である。また学会に参加するための旅費も予定していたが、オンライン開催であったため、その経費なども必要がなくなった。
使用計画としては、まずアメリカ渡航のための経費が必要となるが、渡航が可能かは現在のところまだ未定である。そのため本年度が本研究の最終年度になるが、2022年度への延長を申請することも考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] カイヤ・サーリアホ《光の弧》におけるデッサンの役割2020

    • Author(s)
      宮川渉
    • Journal Title

      音楽学

      Volume: 66 Pages: 51-68

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 武満徹《地平線のドーリア》における様々な音楽要素の共存のあり方―形式や音組織の分析を中心に―2020

    • Author(s)
      宮川渉
    • Organizer
      日本音楽表現学会第18回(ペガサス)大会分科会誌上発表
  • [Presentation] リディアン・クロマティック・コンセプトと武満徹についての研究2020

    • Author(s)
      宮川渉
    • Organizer
      東洋音楽学会第71回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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