2021 Fiscal Year Research-status Report
Inter-regional and Inter-linguistic Study on Changes and Expansion of Music Theatre Performances in Europe
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19K00150
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡本 佳子 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (90752551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 専任教授 (00188533)
荒又 雄介 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (20281446)
小石 かつら 関西学院大学, 文学部, 教授 (00636780)
大河内 文恵 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (20463953)
平野 恵美子 中京大学, 教養教育研究院, 特定任用教授 (30648655)
坂部 裕美子 公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (50435822)
神竹 喜重子 東京藝術大学, 大学院音楽研究科, 研究員 (70786087)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 劇場 / 音楽劇 / オペラ / 上演記録 / プログラム / レパートリー / ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたため予定通りに研究を進めることができなかったが、分担者が各自で個人研究を進めていった。とくにメンバーのうち1人はイタリアに長期滞在し、一部資料館でアクセス制限はあったものの、18世紀から19世紀の公演ポスターや劇場関係者の内部資料の収集・調査を行い、フィレンツェのペルゴラ劇場に関する本課題のフィールドワークを行うことができた。さらに、昨年度に中止・延期となっていた国際会議がオンラインで開催され、国内だけでなく国外でも研究成果を発表する機会があった。 とはいうものの、本研究推進の土台となる、①世界各地の歌劇場/歌劇団の上演データベースの公開状況の調査、②フィールドワークによるヨーロッパ主要歌劇場の資料調査と上演演目調査、③収集した上演状況の興行データを統一する分類方法の案出、のうち、中心となる②を行うことが昨年度同様できておらず、予定通りに進捗したとは言い難い。 チームでの研究としては、上記のうち③が中心に進めていった。①にあるすでに公開されているデータベースと、すでに収集してあるデータとの比較をしながら、整理・統一・グループ内での共有を行ったほか、特に研究目的に沿った形で分析を行う方法について検討を行った。一部のデータを統合したものについては、引き続き研究成果として共著の形で論文執筆を進めている。 以上のようにフィールドワークを行えていない状況から、本研究課題を1年延長することに決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度も予定されていたフィールドワークが新型コロナウイルス感染拡大の影響により多くが取りやめとなった。そのため上演状況の十分な興行データを研究チーム内で共通のデータベースとして共有するまでには至っていない。ただし、一部フィールドワークが実施できたこと、また手元にあるデータを元にした分析方法の検討を日本国内で進めることができたため、全体進捗としては引き続き「やや遅れている」ものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終目的は、統合した調査データを効果的に用いた音楽劇文化研究の方法論の確立と分析の実施であるが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、フィールド調査を行わない形での研究計画へ変更することとした。今後、原則手元にあるデータとともに公開済みのデータベースを積極的に用いて分析を進めていく。ただし地域間、ジャンル間の比較研究および演者の移動や役名の変遷など劇場興行に関する歴史的・地域的考察を共同で行うのに蓄積されたデータを必要とする状況に変わりはないため、可能であれば延長した2022年度にフィールドワークを行う。 2022年度は本課題の最終年度となるため、個人の研究とともにチームとしての成果公開を行う。具体的には各々が得意とする方法を組み合わせた共著論文の形で、査読つきの国際誌へ発表することを目指す。具体的には、地域間比較による上演演目の変遷や人の移動の実態、記念祭における音楽劇制作状況と国民国家形成との関わり、各劇場のデータ分析を行う方法案出についてのテーマで実際に論文執筆を進めている。
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Causes of Carryover |
2021年度に予定していた国外フィールドワーク調査が実施できなかったため、旅費交通費が未使用となった。2022年度に状況が許せばフィールドワーク実施による使用するとともに、国際論文執筆のための英文校正費用に用いる予定である。
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Research Products
(7 results)