2022 Fiscal Year Annual Research Report
「あいだ」と「つながり」―東南アジア島嶼部の伝統音楽・舞踊における一体感の生成
Project/Area Number |
19K00151
|
Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
増野 亜子 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50747160)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 相互作用 / 音 / 身体 / インドネシア / 芸能 / バリ島 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はインドネシア・バリ島の伝統芸能について①コロナ下で延期した現地調査、②動画資料に基づく、芸能上演の台詞・歌詞の文字化・翻訳と分析、③成果発表の主に3つの活動を行った。 ①2022年8月にインドネシア・バリ島での芸能活動に関する現地調査(約4週間を実施て実施し、芸能上演の観察・記録や実演家へのインタビューを行った。 ②歌芝居アルジャ上演中のバリ語の台詞・歌詞の文字化とインドネシア語訳を委託し、これに基づく日本語訳作業を行った。また2019年度に実施した影絵芝居の招聘上演の一演目について台詞の文字化と意訳をし、字幕付き動画として一般公開した。演者の即興的な台詞表現の全容を明らかにし、役者間及び役者と演奏者の相互作用を考察する基礎資料を得ることができた。 ③これまでの調査と研究の成果を複数の論文として発表した。伝統音楽の教習過程を場所という視点から分類考察し、紀要要論文として発表した。また、コロナ下日本におけるインドネシア芸能の実践状況について2本の調査報告を行った。東洋音楽学会定例研究会(日本語、オンライン実施)ではオンラインでの教育活動について、国際伝統音楽学会大会(英語、オンライン実施)では音楽家のオンラインでのコミュニケーションの意義と課題について口頭発表し、他の研究者と情報交換及び議論を行った。またバリのイスラム教徒の共同体の行事における行列を事例に、人々の音と身体による相互作用について考察し、国際シンポジウム(英語、オンライン実施)で口頭発表を行い、論文(英語)を執筆した(2023年度公刊予定)。また競技会という独特の文脈における、伝統音楽家の演奏者の音と身体及び一体感の強調について論文を執筆した(共著による論文集として2023年度中に刊行予定)。
|