2019 Fiscal Year Research-status Report
The propagation of stone engraving from Southern and Northern Dynasties to Sui used water transportation.-Focus on the Lid Epitaph of Seal Script-
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19K00157
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
東 賢司 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10264318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 墓誌 / 北魏 / 北朝 / 隋 / 洛陽 / 運河 / 水運 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は2回の訪中を行い、河北省、河南省、山東省、安徽省などの都市を廻って墓誌資料や魏晋南北朝の出土資料を調査した。とりわけ河南省洛陽市では、北魏の王都が置かれていた洛陽故城を訪問し、周辺に張り巡らされていた城壁の現状調査や、城門の水路の調査など実地踏査を行った。洛陽では墓誌等の石刻資料が最も多く出土しており、それらの調査も行った。書籍、電子報告書、拓本資料、実物調査情報は運用中のデータベースに得られたすべての情報を加えた。現状で墓誌データベースの収録は南北朝のものだけで2000件を超えた。これとは別に文字の解読が行えた資料を電子化しデータ検索ができるようにした、現状では約86万字の文字が検索できるようになっている。 また、現地取材では、碑刻の原材料となる石灰岩を運んだと思われる河川や運河の実地調査も行った。洛陽市内だけでもかなり古河川の名残があることがわかった。 篆書の墓誌蓋についての変化について、本年度は同筆と思われる北魏の資料を抽出し、それらの人物に共通性が見られないか多方面からの検討を行った。共通性が見られる資料はすべて洛陽出土のものである。墓誌銘には墓主の卒年月日と葬年月日が記載されることが多く、同筆の資料はほぼ同じ年代に作られた物であることがわかった。しかし、他の要素では共通点や接点は見つけることはできなかった。 今年の調査で得られた知見は、全国大学書道学会鳥取大会で発表し、『大学書道研究』第12号に採録された(「北魏・北斉から隋への石刻作製技術の伝承 墓誌蓋の形式的変化を追う」)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
中国で報告されている書籍や電子資料の墓誌・墓誌蓋に関する資料はほぼ把握できている。また、1年目の調査では中心となる河南省・河北省などの主要は都市を訪問することができ、大学書道学会で成果発表を行うことができた。墓誌蓋の文字は注目をされることは少なかったために大きな反響を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
CNKI等のデータが中国国内でしかダウンロードができないため、それらをまとめてダウンロードをする必要があるが、現在、外国人の入国が制限され、事実上中国国内に入ることができないため、それらをカバーすることができるかどうかが問題になっている。
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Causes of Carryover |
3月末から翌年度にかけて中国に調査に行く予定であったが、新型コロナウイルスの関係で中止になったため。
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Research Products
(6 results)