2021 Fiscal Year Annual Research Report
The propagation of stone engraving from Southern and Northern Dynasties to Sui used water transportation.-Focus on the Lid Epitaph of Seal Script-
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19K00157
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
東 賢司 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10264318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 墓誌 / 墓誌銘 / 墓誌蓋 / 篆書 / 楷書 / 北魏 / 北朝 / 水運 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、篆書で書かれた墓誌蓋の銘文に注目し、篆書の伝播が北朝から隋まで行われたことを明らかにしようとした研究である。本年は、誌石の銘文を構成する字句の共通性について検討を試みた。 北朝の蓋石を有する墓誌は約120件あるが、本論は北魏資料の中で篆書の墓誌蓋石を持つ34件に限定をした。これと、私がデジタル化している銘文(約85万字)の中に記載されている六言・四言の詩句と比較した。墓誌銘は四言或いは六言で書かれている部分に特徴があり、銘文の最後に付される銘・辞・詞と呼ばれる四言詩が特徴である。この四字あるいは六字が完全に一致するものはほぼ見られず、少しだけ字句を変えているものが多いため、比較は二字熟語を用いた。比較の結果、洛陽遷都直後から作製された墓誌銘の大半は、すべての合計数が二ケタのものが多い。このことから銘文と銘文が一致する数が多い資料は文書を作成する過程に何らかの理由があると疑わざるを得ないことがつかめた。 更に検討を進めると、結果として以下の4つを確認することができた。(1)北魏の篆書の墓誌蓋を持つ墓誌のみならず、北魏洛陽遷都直後の墓誌にも字句の一致は確認できるが、一致数は、数件から数百件と差が大きい。(2)グループを跨ぐ資料はあるが、篆書の墓誌蓋を持つ墓誌を基準とするグループを形成することは可能である。(3)他者の銘文から引用をしているものが見られるが、異なる字句を求めたり、一つの銘文から集中的に引用をする違いがある。また、引用句の配置方法としては、全体に字句を配置する場合と部分に集中して配置する場合がある。(4)どのグループも書風の共通性を見いだすことはできない。
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Research Products
(4 results)