2020 Fiscal Year Research-status Report
倭館を介在した朝鮮王朝における日本陶磁の受容とその影響
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19K00171
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
片山 まび 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (80393312)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 朝鮮陶磁 / 倭館 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の研究については、当初計画していた国内国外調査ともにコロナ禍のために計画どおり進めることが不可能となった。 当初計画していた事業のうち、2018年より整理作業を続けていた草梁倭館船滄周辺遺跡からの出土遺物について科学分析についての依頼報告を得ることができ、朝鮮もしくは日本の製品かどうか不確定な遺物について明確な結論を得ることができた。 いっぽう緊急事態宣言が発出されるなか報告書の草稿作業を進めていった。8月の渡航を計画していたものの、最終的な遺物の照合が当分の間は不可能との結論に達した。そこで計画を再び変更して遺物の最終確認については先に譲ることとし、日本国内での仮報告書刊行を目指し、写真・原稿・図面の整理を行うこととし、入稿作業を進めた。 そのほか絵画資料、『寛政重修諸家譜』や『古画備考』などの絵画にまつわる資料を集め、倭館窯で焼かれた茶器のイメージ形成についての考察を進める基礎作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のために国内外の現地調査を進めることができず、研究を深めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も現地調査が難しいことが予測されるため、ひとつは報告書の刊行、もうひとつは文献調査の二つの柱を立て、倭館を通じた陶磁器の往来についてより多角的な視点からの研究を模索する。そのため史学研究者と積極的に交流をもつことで課題の解決を図る。具体的には、すでに池内敏代表・基盤研究B「通信使と訳官使の統合的研究―17-19世紀東アジア国際秩序と構造の視座転換―」に共同研究者として参加し、問題を克服すべく計画中である。
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Causes of Carryover |
理由:コロナ禍のため当初計画していた調査が不可能となったため使用金額の変更が生じた。 使用計画:過年度に引き続き報告書作成を充実させるための人件費に充てることとする。
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