2020 Fiscal Year Research-status Report
A Art Historical Study on the Interaction between Buddhist painting and Secular painting at Heian period
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19K00172
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増記 隆介 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10723380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 普賢菩薩 / 肖像画 / 孔雀明王像 / 生身信仰 / 鳥獣戯画 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、海外調査、学術交流が制限されたため、主に日本国内の調査を実施し、またこれまでの調査成果等を論文、書籍にまとめるとともに、研究会、一般向けの講演会等において研究成果の発表を行なった。主な業績は以下の通りである。 論文①「普賢菩薩の聖と俗 東京国立博物館普賢菩薩像の淡墨線をめぐって」、『日本美術のつくられ方 佐藤康宏先生の退職によせて』、羽鳥書店、2020年、pp.3-29、②「仁和寺孔雀明王象とその周辺」、『アジア仏教美術論集 東アジアⅢ 五代・北宋・遼・西夏』、中央公論美術出版、2021年、pp.267-297 口頭発表③「宋代仏画の『展開点』としての清浄華院『阿弥陀三尊像』 見える画像から見えない画像へ」、京都大学人文科学研究所「見える」「見えない」共同研究班研究会、京都大学人文科学研究所、2020年8月22日、④「鳥獣戯画とは何か」、神戸大学美術史研究会総会、神戸大学、2021年2月16日、⑤「ガラス乾板から再現された法隆寺金堂壁画の美」、法隆寺講演会「国宝・法隆寺金堂の謎に迫る」、大阪・中之島会館、2021年2月20日 特に①は、当該研究課題の中心ともなる研究業績である。また②は、中国における孔雀明王信仰の歴史的展開とその造形への反映を明らかにしたものであり、特に五代から北宋初期の民間の密教信仰者の動向を明らかにしたものとして特筆すべき業績である。さらに③は、中国絵画における仏画と世俗画の表現における接近の状況が南宋時代半ば頃に変化することを明らかにしたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外調査及び海外における研究発表、講義の実施等が不可能な状況であり、研究の進捗は遅れがちと言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの拡大状況を見据えながら、主に国内における調査活動を実施するとともに、それらの内容について、論文、オンラインでの研究会等で発表することにより広く公開することを目指したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの拡大により海外において学生を伴った調査活動が実施できなかっことが大きく、次年度以降については感染状況等も見極めながら国内調査を精力的に継続するとともに、海外との学術交流の方策を探ることとしたい。
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Research Products
(5 results)