2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on the Court Art during the Reign of Philip III
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19K00177
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
松原 典子 上智大学, 外国語学部, 教授 (10338428)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スペイン黄金世紀 / フェリペ2世 / フェリペ3世 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、17世紀初頭のフェリペ3世期の宮廷美術に焦点を当て、研究蓄積が豊富な前後の治世(フェリペ2世期、フェリペ4世期)との比較検討を取り入れつつ、フェリペ3世期の美術の特性を明らかにすることを目指している。 新型コロナウイルス拡大の影響で当初予定していた研究期間の延長が認められた結果、2023年度は研究5年目となった。元々は調査目的で10日間程度の海外渡航を考えていたが、円安の継続や国際情勢の影響による旅費高騰の影響で大幅な予算超過が見込まれたことから、本研究のための渡航は断念せざるを得なかった。その結果、今年度の実績は国内での資料収集と資料精読、論文執筆および翻訳となった。ただし、別件で短期間滞在したマドリードにおいて、2023年6月末に開館した王室コレクションの展示館(Galeria de las Colecciones Reales)を視察し、これまでアクセスすることができなかった本研究に関わるフェリペ3世期の彫刻作品を実見できたことは思わぬ収穫であり、再延長が認められた2024年度の研究活動に活かしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間の前半にあたる2019-2021年度に新型コロナウイルス感染拡大によって海外渡航による調査や資料収集に大幅な遅れが生じ、いまだその遅れを十分に取り戻せていないことに加えて、今年度はコロナ禍終息後の急激な円安や国際情勢に起因する渡航旅費高騰の影響も受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の再延長が認められたことに伴い、2024年度も本研究を継続できることとなった。予算の都合上、海外に渡航しての現地調査は望めないが、すでに収集、精読を終えた資料に基づく論文の執筆と投稿に努めたい。
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Causes of Carryover |
2023年度は海外での現地調査を希望していたが、円安および国際情勢の影響による渡航費用の高騰により渡航が実現できず、図書資料の購入のみに使用したため、次年度への繰越金が生じた。 最終年度となる2024年度も、残額を図書資料とPC関連備品の購入に充てる予定である。
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