2021 Fiscal Year Research-status Report
Reconsideration on the attribution of the Leonardeschi paintings with IR images
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19K00178
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Research Institution | Tokyo Zokei University |
Principal Investigator |
池上 英洋 東京造形大学, 造形学部, 教授 (00409806)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 帰属問題 / レオナルド・ダ・ヴィンチ / レオナルド派 / 赤外線撮影 / 下絵 / 美術史 / ルネサンス / イタリア美術 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題研究(五年計画)の三年目にあたる2021年度は、前年度から続くコロナ禍と年度末に発生したウクライナ情勢とが重なり、当初計画していた通りの海外調査をおこなうことはできませんでした。ただそれでも、そのような環境下で進められるかぎりの研究計画に修正しながら実績を積むことができました。 本来であれば、海外で実作品の調査にあたる予定でしたが、コロナ禍およびウクライナ情勢により、調査対象国の作品所有者(特に画廊主含む個人所有者)の経済環境が急速に悪化しており、以前は協力に了解を得られていた相手であっても、作品調査に協力するだけの余裕が今は無い、といった返答が来ているような状況です。 この状況は徐々に良化していくと思いますが、とりいそぎ2021年度には、計画初年度に撮影をおこなった作品の赤外線写真の分析をおこない、また海外諸国に散らばっているレオナルド派作品群がいったいどのような経緯で当該国に辿り着いたかを推定するため、各国の近代における宮廷や富裕商人同士のコレクション移動の経緯などを整理していく作業を優先しておこないました。 それと並行して、2022年度におこなう予定の海外調査のため、支持体の素材ごとにテスト撮影をおこなうなどしてその赤外線撮影カメラの利用法のさらなる習熟をはかりました。 本務校の東京造形大学から、こうした海外調査などのために、今年度2022年度にサバティカルリーヴを与えられ、今年度と来年度にできるだけ有意な調査結果を得るために海外の作品所有者と調査日程の再調整などを進めているところです。本務校と作品所有者ほか関係諸機関のご助力を得て、コロナ禍とウクライナ情勢による影響を最小限に抑え、申請時点で予定していた水準の研究成果を得られるよう進めてまいります。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前項で述べたとおり、課題研究の三年目の研究活動を当初計画した通りにはおこなうことができませんでした。2021年度には、本来であれば海外で実作品の調査段階を消化する予定でしたが、周知のとおりコロナ禍による海外渡航の困難化、および年度末に発生したウクライナ情勢による欧州経済の急速な悪化などで、申請者の渡航に制限がかかったことに加え、調査協力者たる海外の作品所有者にとっても調査協力が容易な状況ではなくなってしまったためです。 ただ(全員ではなくとも)いまだ複数の所有者たちが、やや状況が改善すれば調査をおこなうことに協力的ではあるので、情勢が今後落ち着いていくと思われる今年度中には、調査環境も改善してくものと期待できます。 五年間でおこなうべき計画全体のスケジュールが狂いましたが、最終年に一定の成果を得るための遅れが出ないよう、2021年度には国内でおこなうことのできる部分を前倒しで進めました。そのため現在は、赤外線撮影用機器によるテストを重ねて利用法のさらなる習熟をはかるとともに、レオナルド派への帰属問題を抱える作品群がどのように現在の所有者の手に渡ったかを整理する膨大な作業を主としておこないました。 また、現地調査をおこなう予定の相手先とはコンタクトを続け、作業日程の再調整などを進めています。また海外調査を2022年度にはおこなう予定で、サバティカルリーヴの一学年度期間の取得を本務校である東京造形大学に認めていただくなど、計画遂行環境の整備を進めました。また引き続き、国内で進めることのできる関連文献資料の入手と分析も継続しておこなっています。 こうした状況から、現在までの進捗状況を「やや遅れている」と判断しました。
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Strategy for Future Research Activity |
前三項で述べたとおり、課題研究の二年目と三年目(昨年度)の研究を計画通りおこなうことができなかったため、五年間の当初の研究計画の順序を組み直し、国内で先にできることをこれまで前倒しで消化してきました。それにともない、海外調査を前提とした2020年度に執行できなかった予算を、そのまま2021年度に国内での分析研究用にあてて執行し、また当初2021年度に執行する予定だった予算を、2022年度に予定している海外調査用へと先送りすることで、当初の五年計画での予算の割り振り額を変更しました。(その過程で、東京造形大学の学術交流課とともに学術振興会に問い合わせて指示と助言を仰ぎました)。 2020年度と2021年度に、国内で遂行できる部分を前倒しで進めましたが、本課題研究の中心は国外にある作品の調査であり、よって2022年度にはようやく海外滞在を複数回おこなって調査をおこなう予定で学内外で調整を進めています(海外所有者と所蔵機関はフランスやスペインなど複数国にななります)。 コロナ禍とウクライナ情勢に起因する上記のような変更により、海外でおこなう部分と、それによって得られるデータの分析にかかる期間が、当初の五年計画中の三年間占める予定だった計画から、すでに消化分も含めて合計二年半に短縮される結果となります。そのため、当初の計画では2020年度に半年間取得できる予定だったサバティカル期間を、2022年度では一年間に変更することで本務校である東京造形大学にはお認めいただきました。 今年度は、組み換え後の消化順序とスケジュールで研究を遂行できるよう、2022年度と来2023年度での海外所有者および関係機関との調整を進めています。 今後は、こうした学内外の協力と助力を得て、さまざまな社会情勢による影響を最小限に抑え、申請時点で予定していた水準の研究成果を得られるよう進めてまいります。
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Research Products
(1 results)