2022 Fiscal Year Research-status Report
ユダヤ美術の生成・発展をめぐる研究――移動・越境する共同体の視覚文化――
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19K00199
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| Research Institution | Rikkyo University |
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Principal Investigator |
加藤 磨珠枝 立教大学, 文学部, 教授 (40422521)
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2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | ユダヤ教美術 / キリスト教美術 / シナゴーグ / 古代末期 / 考古学 / モザイク装飾 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も新型コロナの影響により、日本への入国規制など海外渡航は困難な状態であったが、海外での活動が以前より緩和されたため、当初から予定していたイスラエル現地調査を8月に実施できた。現地での具体的な調査場所は、ガリラヤ湖西岸のハマットディベリアス、マグダラ（ミグダル）、ギンノサル、カファルナウム、コラジン、ベト・アルファ、ナハル・ハキブツィム、ベト・シェアン、同じく東北岸のゴラン高原に位置するマジュリーヤ、ウム・エル・カナティール、カツリン。その他にはベト・シェアリームのネクロポリス、ツィッポリ、セフォリス、善きサマリア人モザイク博物館をへて最終的にエルサレムに入り、イスラエル各地の関連遺跡および博物館・美術館を集中的に調査した。
今回の調査では、近年新発見が目覚ましいイスラエルのガリラヤ湖周辺のシナゴーグ群のフィールドワークが主要な目的のひとつであったため、現地遺跡とそのモザイク装飾を実見し、画像資料まで入手できたことは大きな成果であった。この分析と成果発表は次年度に行う予定で準備中である。
その他の主要実績として、これまでのローマに関する調査結果を英語論文としてまとめ、国際共著論集において発表し、国際的な成果発表を行った。加えて、関連書籍の書評を２件、国際研究会での発表１件、現代的問題も含めた公開シンポジウムの開催、美術館での講演会や商業雑誌への寄稿というかたちで一般社会にむけての情報発信も行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間開始から間もなくして、新型コロナのために海外への移動が規制されたため、しばらくは関連文献の渉猟を中心に国内でできることを重点的に取り組んできた。2022年度にやっと現地調査を実施でき、かつ研究期間を1年間延長することが許可されたため、研究計画は順調なペースを取り戻しつつある。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究期間を1年間延長した最終年度にあたるが、所属機関より海外研究休暇を取得できたため、長期間ローマに滞在し集中的に研究に従事する予定である。ローマでは美術史・考古学の学術的伝統を誇るエコール・フランセーズ（Ecole francaise de Rome）およびヘルツィアーナ図書館（マックス・プランク美術史研究所）を拠点とし、2023年5月現在、研究遂行中である。この都市は古代以来、ユダヤ人居住区が栄え、初期の美術的発展を知るための遺跡も多く、調査研究の場所として理想的である。
また、9月16日から東京都美術館で開催予定の「永遠の都ローマ展」の日本側学術監修者として、ローマ市文化財監督官クラウディオ・パリージ・プレシッチェ氏と協力のもと、本研究テーマにおいて重要な位置をしめる西洋古代末期から中世初期のユダヤ美術の発展に関わる最新の美術史研究成果の一部も、広く一般社会にむけて公開できるよう準備を進めている。こうした研究成果公開の企画に加えて、学術的な成果をできるだけ早く書籍のかたちで発表できるよう精進したい。
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| Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、過去3年間の海外調査計画に大幅な遅れを生じさせたため。当初の計画を遂行するために、次年度使用額が生じた。
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[Book] Storia dell’arte on the road: Studi in onore di Alessandro Tomei2022
Author(s)
Gaetano Curzi, Claudia D’Alberto, Marco D’Attanasio, Francesca Manzari, Stefania Paone, Masue Kato, Serena Romano, Sonia Antonelli, Giulia Orofino, Francesco Gandolfo, Valentino Pace, Etienne Anheim, Paola Refice, Gennaro Toscano, Michele Bernardini, Filippo Maria Ferro, Rossana Torlontano, Elisa Acanfora
Total Pages
624
Publisher
Campisano Editore
ISBN
9791280956019
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