2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K00202
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
神田 雅章 龍谷大学, 文学部, 教授 (80241503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磨崖仏 / 石窟 / 石仏 / 山林仏教 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の古代の磨崖仏のうち、重要文化財の指定を受けるもの以外を対象に、実態調査を行った。次の10件については、3D計測による記録保存を行った。①観音堂石仏、薬師堂石仏(福島県南相馬市小高区泉沢)、②吉名の岩屋堂磨崖仏(福島県南相馬市小高区吉名)、③和田大仏(福島県須賀川市和田字大仏)、④住吉遍照院磨崖仏(福島県いわき市小名浜住吉字搦町)、⑤大門如来磨崖仏(京都府木津川市加茂町大門)、⑥笠置寺菩薩磨崖仏(京都府相楽郡笠置町笠置山)、⑦鹿谷寺磨崖仏(大阪府南河内郡太子町)、⑧岩屋磨崖仏(大阪府南河内郡太子町山田)、⑨高瀬石仏(大分県大分市高瀬)、⑩岩屋寺石仏(大分県大分市古国府)、⑪元町石仏(大分県大分市元町)。これらの3Dデータについては画像処理を行い、それをもとに保存状態の確認等を行った。 次の6件については現地視察を行った。①大谷磨崖仏(栃木県宇都宮市大谷)、②佐貫石仏(栃木県塩谷郡塩谷町佐貫)、③西教寺(香川県さぬき市大川町富田東)、④弥谷寺(香川県三豊市三野町大見乙)、⑤立石観音磨崖仏(佐賀県唐津市相智町)、⑥鵜殿石仏群(佐賀県唐津市相知町天徳)。これらのうち可能な物件については写真撮影を行った。 以上の成果に基づき、所在場所、標高、方位、法量、石質、形状、彩色の有無、保存状態、覆屋等設備の設置状況、修理歴、関連史料、参考文献等をまとめる作業を行った。そのデータを活用し、時代や地域の特色、保存のあり方等について考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度で、一昨年からのコロナ禍の影響による現地調査の停滞を挽回し、現地調査を全て終えることができた。ただしデータ整理と報告書の刊行のために、事業は1年間延長することなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査の成果をもとに、考察を行い、報告書の執筆と編集を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、2年前から現地調査が制限され停滞していたが、昨年はその遅れを取り戻すことができた。ただし報告書刊行までにはいたらなかったため、報告書の執筆と編集、刊行を次年度に行う計画である。
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