2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Nanbu Tekki Ironware for foreigners combining traditional technology inheritance
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19K00212
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
阿部 裕之 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20222664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆充 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20374861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 南部鉄器 / 伝統的工芸 / 惣型鋳造技法 / 焼き型技法 / 生型技法 / 輸出用鉄瓶 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、実施した岩手県内の南部鉄器職人からのアンケートとヒアリング調査と海外ユーザからの視点の相違を判断するトリガーとして、タイ、中国、台湾からアンケートとヒアリング調査を行った。アンケートとヒアリング調査は上述の昨年度使用した、47種類の南部鉄瓶のバリエーションを基軸に進めた。被験者の属性を知るために、性別、年齢(20~30代、30~40代、40~50代、50~60代、60以上に区分けした)、南部鉄器の既知の有無に関する質問を個人情報に抵触しないように基礎データとして得た。その後、47種類の南部鉄瓶のスケッチ画を見せて、購入したいデザインを5種類選択してもらった。選択してもらった5種類については具体的な選択理由を得るためにコメントを可能な限り収集した。新型コロナウイルス感染拡大予防のため、アンケートとヒアリング調査はインターネットを通して行った。アンケートはタイ人からは63名で30~40代が約52%からの回答が最も多かった。中国人は265名で20~30代が約21%、50~60代が約35%の比率であり、台湾人は、96名からのアンケートを得ることができ、20~30代が39%,40~50代が33%であった。上位に選ばれたデザインを比較すると、中国、台湾は比較的若い世代が多かったことから、共通して選ばれるデザインがあり、その理由をヒアリングすると、「日本らしさ」「造形的な美しさ」が共通的に挙げられた。また、タイは「鳥居をモチーフ」にしたデザインが「日本らしい美しさ」と捉えられているのが特徴的である。また、昨年度の南部鉄器職人からのヒアリングで前述のデザインは、「制作してみたいデザイン」として選択されていることから、作り手、海外からの買い手の両軸から合致したデザインであると推測され、次年度以降はさらに分析を行い、プロトタイプ化を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、欧米へのアンケート、ヒアリングが困難になり、ターゲットを絞り込むことで研究を進められており、学会発表も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
芸術科学会での口頭発表と国際会議(ADADA)へ論文投稿を予定しており、そのための分析をSPSSで行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究対象のデータ保護を入念に行うためにNASを導入することを学内の情報基板センターの専門家より推奨されたために購入した。
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Research Products
(1 results)